押出成形で半製品化が可能 BASFがPPAを開発

2020年08月18日

ゴムタイムス社

 BASFは8月6日、押出成形で半製品化できるポリフタルアミド(以下、PPA)「ウルトラミッド・アドバンストN・5H・UN」を開発したと発表した。半製品の熱可塑性プラスチック押出成形における世界的リーダーであるドイツのGEHR社は、この新しいPPAを使用して、直径50mmの押出成形品を製造している。

 ウルトラミッド・アドバンストNは、半芳香族の化学構造により、高温に対する優れた機械的特性を備えている。厳しい使用環境でも優れた耐薬品性と耐加水分解性を発揮し、100度以上の高温でも良好な耐摩擦、耐摩耗特性を維持する。湿潤環境においても、全てのポリアミドの中で最も高い寸法安定性を示している。こうした特性により、半製品や小型組立部品の押出成形だけでなく、自動車産業、機械工学、厨房設備など幅広い用途にも最適。半製品は、切削加工によって最終製品に加工される。

 また、ポリエーテルエーテルケトンやポリアリールスルホンを素材とした半製品と、エンジニアリングプラスチックを素材とした半製品との市場ギャップを埋める製品として、同社の素材は120度を超える環境でも使用可能で、丸棒以外の形状にも適している。

 同社パフォーマンスマテリアルズ事業部の販売部門グループヘッドであるフィリップ・ウェンツ氏は、「GEHR社は、押出成形にPPAを使用することに成功した最初の企業。押出成形に関する彼らの専門知識を活かし、ボイド(気泡)を生じることなく製造可能な形状を開発した。これがPPAで作られた世界初の半製品であるかどうかは明言できないが、半製品市場において高機能素材は、これまで重要な役割を担っていなかった。それは、通常のPPAでは押出成形が難しいことが、理由のひとつと考えられる」と述べている。

 GEHR社アプリケーションテクノロジーの責任者であるバーナード・グロスキンスキー氏は、「BASFのPPAは、市場に出回っている他のPPAに比べてはるかに扱いやすく、高い溶融安定性とともに広い視野をもたらしてくれる。素材の品質を損ねることなく安定した半製品の生産を維持し、さらに、半製品から最終製品への加工も容易だ」 とコメントしている。

高温耐性PPAで棒状押出成形品が可能に

高温耐性PPAで棒状押出成形品が可能に

 

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー