ポリイミド(PI)|熱硬化性樹脂

2020年08月21日

ゴムタイムス社

【開発経緯概略】
主鎖にイミド結合を有するもっとも耐熱性の優れたプラスチックの一つである。1964年にアメリカのデュポン社により開発された。
非熱可塑型ポリイミドは、反応形態により、縮合タイプ(縮合反応)と付加タイプ(付加反応)があり、ビスマレイミドや芳香族イミドを反応原料とした樹脂が多用されている。熱可塑性ポリイミドは、縮合タイプの半芳香族タイプ(ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド)と全芳香族ポリイミドなどがある。

【性質、加工、その特徴】
① 高分子中で最高の耐熱性を有している。荷重たわみ温度は、縮合タイプは高荷重(1.8OMPa)では250~360℃であり、付加タイプは300℃前後である。
② 長期耐熱性は全芳香族ポリイミドでは250~260℃、付加タイプで200℃前後である。
③ 電気絶縁材料の耐熱区分はH種で、広い温度範囲、周波数領域で安定した誘電特性を持つ。
④ 難燃性である。燃焼時の発煙量も少ない。
⑤ 極低温特性にも優れ、-200℃でも物性の変化はない(-200~+250℃まで常用できる)。
⑥ 寸法安定性が良い。ただし、吸湿、吸水による特性や寸法変化の傾向がある。
⑦ 各種強化材、充填材(ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト、炭酸カルシウム、フッ素樹脂など)との親和性が良好である。
⑧ 耐薬品性、耐溶剤性に優れるが、強酸、強アルカリには弱い。また、n-メチル-2-ピロリドン、DMF、1,4-ジオキサンなどに溶けるものがある。
⑨ 力学的性質は、高温でも高い値を保持している。また、クリープ変形も少ない。
⑩ 線膨脹係数が非常に小さい。

【新製品への応用と主な用途】

全文:約915文字

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