ジアリルフタレート樹脂(DAP)|熱硬化性樹脂

2020年08月19日

ゴムタイムス社

【開発経緯概略】
ジアリルフタレート樹脂はオルソ、イソ、テレフタル酸とアリルアルコールを塊状重合で20~30%程度重合したところで重合を停止させてプレポリマー(DAP、DAIP、DATPの3種類)を作る。反応は付加重合であるので、フェノール樹脂などとは異なり、水、アルデヒド、アンモニアなどの発生はない。これに強化材、充填材、着色剤、触媒(t-ブチルパーべンゾエートなど)などを加えて成形材料を作り、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形などで成形する。不飽和ポリエステルやエポキシ樹脂に似た特性を有する。

【性質、加工、その特徴】
① 耐熱性が高い。高温・高湿下での力学的性質・電気的性質の劣化が少ない。電気絶縁材料の耐熱区分はH種である。
② はんだ耐熱性も高い。200℃のディップはんだ、260℃の蒸気用はんだ、400℃の赤外線はんだにも使用できる。
③ 電気絶縁性・耐電圧・誘電特性・耐アーク性などの電気的性質が良好である。
④ 耐熱水性が良い。
⑤ 耐薬品性が良い。しかし、アセトン、クロロホルムのような有機溶剤を吸着し、寸法が増加することがある。
⑥ 難燃性が良好である。
⑦ ガス発生が少ないので真空系での使用では有利になる。また、金属インサートなどを腐食させるようなガスの発生もない。
⑧ 成形収縮率は、ガラス短繊維強化グレードで0.4~0.6%、ガラス長繊維強化グレードで0.3~0.4%と小さい。また、寸法安定性も良好である。

【新製品への応用と主な用途】

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