不飽和ポリエステル樹脂(UP)|熱硬化性樹脂

2020年08月17日

ゴムタイムス社

【開発経緯概略】
無水マレイン酸のような不飽和二塩基酸および無水フタル酸のような飽和二塩基酸とグリコールの縮合反応により得られるポリエステルを、スチレンやメタクリル酸メチルなどの架橋用ビニルモノマーに溶解した熱硬化性樹脂である。これに硬化剤である有機過酸化物および必要に応じ促進剤である金属石鹸を添加することによりラジカル反応を開始させ、三次元構造を形成、硬化させる。不飽和ポリエステル樹脂は、1930年代アメリカで発明された。一般に、ガラス繊維などの無機強化材を充填した成形品として用いられる。

【性質、加工、その特徴】
① 低粘度で強化材への含浸性が優れているので、強化効率が高い。
② 耐熱性、耐寒性が良い。
③ アルコール類や炭化水素のような有機溶剤には耐性があるが、スチレンの重合体を含んでいるのでポリスチレンに対する溶剤には侵される。
④ 酸化性酸を除き、一般の酸には比較的強いが、アルカリには弱い。これはエステル結合に基づくものである。熱水性も良くない。イソフタル酸系やビスフェノールA系樹脂ではこれらの性質は改善される。
⑤ 他の熱硬化性樹脂と同様に耐候性が良い。しかし、屋根等に長期間使用されると、表面にガラス繊維が浮きだし、透明度も低下してくる。
⑥ 電気絶緣性・耐電圧・耐アーク性・耐トラッキング性などの電気的性質が優れている。
⑦ 着色が自由である。
⑧ 付加反応で硬化するので、問題を起こすような副生物を生じない。

【新製品への応用と主な用途】

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