液状ポリイソプレン|低分子量ポリマー

2020年08月05日

ゴムタイムス社

液状ポリイソプレンは、イソプレンをアニオン重合することにより、1,4-構造が主体の低分子量重合体を得ることができる。
この液状ポリイソプレンの分子量は数万の領域であり、架橋形成体として使用できるものである。また、各撞ジエン系ゴムと相溶性に優れ、それらにブレンドされた際には十分な可塑効果を示すと同時に、ゴムとの共架橋性を有することから、ジエンゴムの反応性可塑剤として優れた特性を示す。
また天然ゴム、SIS系TPEなどをベースとした粘着剤において、粘着性、低温特性を改善する非ブリード性の可塑剤として優れた性能を示す。
上記の液状ポリイソプレンは、官能基を有さない物であるが、これをベースにしてカルボキシル基、水酸基を付加した夕イプもある。これらは、その官能基を利用して架橋させることが可能となる。カルボキシル基を付加したものはジエン系ゴムにブレンドし、金属、繊維などの素材との接着性を向上させるという特性を併せ持つ。
さらに分子中に二重結合を水添したタイプも追加されている。水添することにより、耐熱性、耐候性が改善されると同時に、EPDM、PPなどのオレフィン系ポリマーとの相溶性を有し、これらの改質剤としての用途開発が期待される。

【新製品への応用と主な用途】
▼天然ゴムをはじめとするジエン系ゴムの反応性可塑剤として使用される。非移行性、非抽出性の要求される用途に特に優れた材料である。また溶液型、ホットメルト粘着剤においても低温特性の優れる非抽出型の可塑剤として有用な材料である。
▼カルボキシル基を有するタイプはゴムにブレンドし、接着性を改善するという目的で使用される。また、エポキシ樹脂や金属化合物により架橋することにより後架橋型の粘着剤としての応用も可能である。
▼同様な手法により、シーリング材、コーティング材としての応用も可能である。
▼この液状ポリイソプレンは合成品であり、不純物が無いことから、エポキシ化物、環化物、塩化物の原料として適している。
▼その他用途はアスファルト改質剤、潤滑油、各種バインダーなどがある。

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