可塑剤|プラスチック添加剤

2020年08月02日

ゴムタイムス社

1.概要
可塑剤は、ポリマー分子間に浸透してポリマーの分子間力を弱め、ポリマー分子鎖を動きやすくすることで粘度を低下させ成形加工性を改善したり、ポリマーのガラス転移点を低下し、ポリマーに柔軟性を与える。特に、ポリ塩化ビニルにおいては可塑剤の添加量により自由に柔軟性が制御され、多くの用途に適合させている。可塑剤は多量に添加されるため、プラスチックとの相溶性が良いだけでなく、ブリードしないこと、揮発性が少ないこと、耐熱性に優れること、耐候性に優れることなど、多くの特性で一定レベル以上であることが必要で、それらを満足する種々の可塑剤が開発されている。

2.塩ビの可塑剤の代表例
●フタル酸エステル:ジオクチルフタレート(DOP)、ジブチルフタレート(DBP)で一次可塑剤として多くの軟質塩ビに配合されている。
●アジピン酸、セバシン酸エステル:ジオクチルアジペート(DOA)、ジオクチルセバケート(DOS)で耐寒性に優れる。
●塩素化パラフィン:パラフィンを40~70%塩素化したもので難燃性を付与する。相溶性、耐熱性、耐寒性に劣る。
●ポリエステル:二塩基酸(アジピン酸、セバシン酸、フタル酸など)とグリコール類(1,2-プロパンジオール、ブタンジオールなど)とのポリエステルで保留性良好、低揮発性、非移行性に優れるが、相溶性、耐寒性に劣る。
●エポキシ化植物油:エポキシ化大豆油(ESBO)、エポキシ化アマニ油(ELSO)で安定剤としても働き、可塑剤兼安定剤として使用される。
●リン酸エステル:トリクレジルホスフェート(TCP)、トリフェニルホスフェート(TPP)で難燃性も付与すると同時に耐候性向上効果があり、農業用塩ビフィルムに使用される。
●トリメリット酸エステル:トリオクチルトリメリテート(TOTM)で耐熱性、耐揮発性、非移性に優れる。

全文:約780文字

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