塩ビ用安定剤|プラスチック添加剤

2020年08月01日

ゴムタイムス社

1.概要
塩ビ(PVC)用安定剤は、多くの種類があるがそれぞれの安定剤の相乗効果が大きく、多くの場合用途に応じて適切な安定剤が数種組み合わせて使用され、軟質塩ビ用安定剤は安定剤メーカーによってワンパック化して販売されているものが多い。

2.塩ビ用安定剤の種類など
①熱安定剤とその説明
熱安定剤は塩ビの劣化の開始点となる不安定塩素を無害化し、劣化反応を連鎖的に促進する塩酸を捕捉する働きなどで塩ビを安定化する。熱安定剤としては金属石鹸類、有機スズ系安定剤、鉛系安定剤などが使用されている。
●金属石鹸系安定剤:脂肪酸の金属塩が主体で、金属種としてはバリウム、カルシウム、亜鉛などが使用されている。亜鉛塩は不安定塩素を置換する働きを持ち、バリウム塩、カルシウム塩は副生する塩酸を捕捉するとともに塩化亜鉛と反応し、亜鉛塩を再生することで安定化に寄与している。それぞれ単独で使用することはなく、バリウム/亜鉛石験、カルシウム/亜船石験のように2種類以上の金属石鹸を組み合わされて使用される。この際他の安定化助剤や改質剤と併用される場合が多い。
●有機スズ系安定剤:モノ/ジ・メチルスズ、ジブチルスズ、モノ/ジ・オクチルスズなどの有機スズのメルカプタイド、マレエート、ラウレートなどが使用されている。比較的高性能で単純な配合処方を組む場合がある。
●鉛系安定剤:三塩基性硫酸鉛、二塩基性フタル酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ステアリン酸鉛などがあり、高性能で安価なため硬質塩ビ用や電線被覆用に幅広く使用されている。しかし、衛生上、環境保護の観点から脱鉛安定剤の動きが強まり、上下水道パイプでは有機スズ系安定剤への切り換えが進み、異形押出や電線被覆用でも脱鉛の動きがでてきている。

②安定化助剤
安定化助剤は金属石鹸等の主安定剤と併用し、よりハイレベルの熱安定性、着色抑制等の性能を付与する。安定化助剤にはホスファイト、エポキシ化合物、β-ジケトン類、ポリオール等の有機系安定化助剤とハイドロタルサイト、ゼオライト等の無機系安定化助剤がある。脱カドミウム、脱鉛系安定剤の動きの中で、これら安定化助剤の役割は益々大きくなっている。
●ホスファイト:トリアルキルホスファイト、アルキルフェニルフォスファイト、トリアルキルフェニルフォスファイトなどで着色抑制効果に優れる。過酸化物分解剤としての働きが主であるが、不安定塩素との置換、ZnCl2の捕捉能も有り、多機能に働いている。加水分解しやすいので注意が必要である。
●エポキシ化合物:エポキシ化大豆油、エピ-ビス系エポキシ樹脂などがあり、塩酸捕捉、不安定塩素の置換などの働きで塩ビの熱安定性を向上する。
●β-ジケトン類:アセチルアセトン、ジベンゾイルメタン、ステロイルベンゾイルメタン、ジヒドロ酢酸などが開発され、不安定塩素の置換効果で主に着色抑制の効果がある。
●ポリオール:グリセリン、ソルビトール、マンニトール、ペンタエリスリトールなどで、塩化亜鉛の捕捉作用で熱安定性を向上する。
●ハイドロタルサイト類:マグネシウムとアルミニウムの塩基性ハイドロオキシ・カーボネート・ハイドレートでイオン交換性の層状化合物である。塩酸の捕捉効果で主に熱安定性を向上する。

3.塩ビ用安定剤の相乗作用、拮抗作用

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