ポリフェニレンサルファイド(PPS)

2020年07月17日

ゴムタイムス社

【ポリフェニレンサルファイドの種類・成形方法・製造の概要】
パラジクロルベンゼンと硫化アルカリを高温・高圧下で反応させて得られる耐熱性の非常に優れた結晶性スーパーエンプラである。PPSの商業生産を開始した会社はアメリカのフィリップス石油社で、1973年である。重合方法により、架橋タイプ、半架橋タイプ、直鎖タイプに分けられる。

【ポリフェニレンサルファイドの特徴(性質・メリット・デメリット)】
① 極めて硬く、剛直な熱可塑性樹脂で、成形材料には主にガラス繊維や無機フィラーとの複合材料が使用される。
② 荷重たわみ温度が260℃と非常に耐熱性に優れており、ポリイミド、PTFEの耐熱性に匹敵する。
③ UL温度指数は力学的性質(衝撃無)、電気的性質が220℃、力学的性質(衝撃あり)が200℃である。
④ 融点が285~288℃であるのではんだ耐熱性にも有利である。
⑤ 難燃性に優れ、難燃剤の添加無しでUL94V-0、94-5Vである。
⑥ 強度・剛性が高く、高温でも機械的性質の低下が少ない。
⑦ 耐薬品性が優れており、ほとんどの有機溶剤に侵されず酸化性の酸に高温で侵されるだけで耐熱水性も優れる。
⑧ 吸水性は、0.02%と極めて低く、線膨脹係数も小さいため寸法安定性が良好である。
⑨ 成形性は流動性が良好で、成形収縮率も0.2%以下と小さいため、精密部品の成形に適する。
⑩ 耐摩耗、電気的性質に優れ、非粘着性である。
⑪ 無毒である。
⑫ 無機物との親和性が良いので、ガラス繊維のほか炭素繊維、二硫化モリブデン、グラファイト、PTFEなどをブレンドして高度な摺動材料、金属に代わる高剛性材料となる。
⑬ 粉体の高温焼付けにより金属に密着性の良い、耐熱性、耐蝕性の高い塗膜が得られる。

【ポリフェニレンサルファイドの用途と応用分野】
▼自動車分野
▽EV・HV関連部品(インバータ、PCU、コンデンサなどのハウジング、モーターの絶縁フィルム)、ラジエータサーモスタット、排ガス対策部品、イグニッション部品、モーター用ブラッシュホルダー、ランプハウジング、フューエルポンプ部品、ECUケースなど
▼電気・電子分野
▽ドライヤーグリル、ヘアアイロンジョイント、サーモスタットベース、コネクタ、ヒューズブレーカ、IC部品、コイルボビン、小型モーターケース、軸受、小型アルミ電解コンデンサケース、CD用ピックアップユニット、産業用端子台モジュールケース、産業用配線導体付端子台、プロジェクタ部品など
▼機械分野
▽ポンプ、バルブ、流量計のハウジングおよび内部部品、カメラ部品、複写機部品、時計ケース、ケミカル用ファン、ギアポンプギア、キッチン水栓、ビデオカメラ筐体など
▼その他
▽フィルム(コンデンサ用など)、繊維用途(バグフィルターなど)、大気圧センター

全文:約1200文字

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