【フッ素樹脂の種類・成形方法・製造の概要】
分子内にフッ素を含む樹脂で、上市されている主なものは8種類である。世界で最初にフッ素樹脂を市販したのはアメリカのデュポン社で1947年のことである。フッ素樹脂は、炭素骨格とフッ素と微量の酸素からなるパーフルオロ樹脂とフッ素と水素または塩素からなる部分フッ素樹脂に分けられる。共通した特徴は以下の通りである。
【フッ素樹脂の種類・成形方法・製造の概要】
① 耐熱性に優れる。とくにパーフルオロ樹脂のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は常用260℃、短時間で300℃まで使用可能である。
② 低温特性にも優れ、PTFEは-268℃まで使用可能である。
③ 耐薬品性に非常に優れる。とくにパーフルオロ樹脂は、酸、アルカリなどのほとんどの薬品や溶剤に侵されることはない。
④ 樹脂自体が難燃性である。(ほとんどがUL94V-O)
⑤ 低摩擦・摩耗性である。
⑥ 耐候性に優れる。
⑦ 電気絶縁性、誘電特性など電気的性質に優れる。
⑧ 特異な非粘着性を示す。
⑨ 撥水・撥油性である。
⑩ フッ素樹脂の代表であるPTFEは溶融粘度が高く、溶融成形は不可能であるが、他のものは溶融成形が可能である。
⑪ フッ素含量が少ないほど成形加工性および機械的強度が良好となる。
*:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデ(PVDF)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)
【フッ素樹脂の用途と応用分野】
▼電気・電子分野
▽コンピュータ・通信機器・計測機器・宇宙航空機器・電気製品などの絶縁材料、プリント配線板、半導体製造関連機器(配管材料、ウェハーキャリア)、コネクタなど
▼自動車分野
▽パワーステアリング・ショックアブソーバのシール、エレクトロニクス部品の配線、ワイパー軸受、ブレーキチューブ、ワイヤーハーネス被覆材、燃料チューブバリア層など
▼建築分野
▽屋根材(PTFEの分散液をガラスクロスに含浸)、耐候性塗料、耐候性を付与するフィルム、外装用塗料など
▼家電・厨房器への応用
▽フライパン・ホーロー鍋内装・ガスコンロへのコーティング、電子レンジ内壁など
▼化学工業などの工業分野
▽防食材料としての利用(配管材、反応器のライニングなど)
▼その他
▽各種プラスチックの摩擦・摩耗改良材、難燃材料の垂れ落ち防止剤、微粉飛散防止用途
