フッ素樹脂(FR)|エンジニアリングプラスチック(エンプラ)

2020年07月16日

ゴムタイムス社

【開発経緯概略】
分子内にフッ素を含む樹脂で、上市されている主なものは8種類である。世界で最初にフッ素樹脂を市販したのはアメリカのデュポン社で1947年のことである。フッ素樹脂は、炭素骨格とフッ素と微量の酸素からなるパーフルオロ樹脂とフッ素と水素または塩素からなる部分フッ素樹脂に分けられる。共通した特徴は以下の通りである。

【性質、加工、その特徴】
① 耐熱性に優れる。とくにパーフルオロ樹脂のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は常用260℃、短時間で300℃まで使用可能である。
② 低温特性にも優れ、PTFEは-268℃まで使用可能である。
③ 耐薬品性に非常に優れる。とくにパーフルオロ樹脂は、酸、アルカリなどのほとんどの薬品や溶剤に侵されることはない。
④ 樹脂自体が難燃性である。(ほとんどがUL94V-O)
⑤ 低摩擦・摩耗性である。
⑥ 耐候性に優れる。
⑦ 電気絶縁性、誘電特性など電気的性質に優れる。
⑧ 特異な非粘着性を示す。
⑨ 撥水・撥油性である。
⑩ フッ素樹脂の代表であるPTFEは溶融粘度が高く、溶融成形は不可能であるが、他のものは溶融成形が可能である。
⑪ フッ素含量が少ないほど成形加工性および機械的強度が良好となる。

*:ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデ(PVDF)、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、エチレン-クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)

【新製品への応用と主な用途】

全文:約1094文字

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