新処方の再生樹脂を発売開始 ダウ、アジア太平洋で

2020年06月01日

ゴムタイムス社

 ダウ・ケミカル日本は5月28日、ダウがアジア太平洋における集積シュリンクフィルム用途向けに設計した、新処方の再生(PCR)プラスチック樹脂を開発、商品化したことを発表した。

 この新たな樹脂は、PCR材料を40%含み、バージン樹脂製品に匹敵する性能のフィルムを製造できるよう設計されている。同製品XUS 60921・01は、同社の戦略的リサイクリングパートナーを通じて中国国内で回収された再生プラスチックを原料としており、中国南京にある同社の委託生産企業において製造されている。

 同社パッケージング・アンド・スペシャルティ・プラスチック事業部アジア太平洋コマーシャルバイスプレジデントであるバンバン・キャンドラ氏は、「今回発表した新しい樹脂は、プラスチックの循環型経済を現実のものとするのに役立つと同時に、ブランドオーナーや消費者が求める性能を損なうことがない。素材科学企業としてダウには、プラスチックが環境に廃棄物として排出されないよう、市場にこのような製品を提供する責任がある」と述べている。

 e―コマース需要が伸びることで、サプライチェーンの始まりから終わりまで製品を保護できると同時に、消費者のために廃棄物を最小限に抑えた、耐久性かつ効率性を備えた包装が求められている。同社の新処方PCR樹脂は、バージン樹脂由来の集積シュリンクフィルムに匹敵する性能をブランドおよび消費者に提供することで、製品の安全供給に貢献するとともに、環境に放出されるプラスチック廃棄物の量も削減する。

 集積シュリンク用途のコア層は、この樹脂を100%使用するよう設計されており、リサイクル材料含有率13~24%のフィルムの開発を可能とする。

 新処方のPCR樹脂は、二酸化炭素およびエネルギーフットプリントを削減し、コンバーター企業やブランドオーナー、小売業者がそれぞれのサステナビリティ目標を達成することに貢献するとともに、廃棄物となってしまうかもしれないプラスチックに、新たな最終用途を見出すものとなる。

 同社パッケージング・アンド・スペシャルティ・プラスチック事業部アジア太平洋リサイクリングディレクターのスニー・マルコス氏は、「プラスチック廃棄物に対して新たな最終市場を開発することで、回収とリサイクルにインセンティブをもたらし、リサイクル製品の開発を増やすと同時に、環境に放出されるプラスチックの量の削減にもつながる」と、コメントしている。

 今回の新製品の提供は、リサイクル材料を製品の提供において取り込むことに注力し、プラスチックの循環型経済を発展させる、という同社の包括的戦略の一環といえる。

 

新処方の再生樹脂を発売開始

新処方の再生樹脂を発売開始

 

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