植物由来新素材を開発へ ダイセルとBIPCが共同で

2020年05月13日

ゴムタイムス社

 ダイセルは5月11日、同社のセルロース由来バイオプラスチックと事業革新パートナーズ(BIPC)のヘミセルロース由来バイオプラスチックを組み合わせた新たな植物由来プラスチックの開発を、BIPCと共同で開始したと発表した。

 ダイセルは、植物由来セルロースを原料とする酢酸セルロースなどのセルロース由来バイオプラスチックを長く製造してきた。酢酸セルロースはグローバルに展開しており、繊維や液晶保護用などのフィルム、化粧品などの原料として利用されている。

 BIPCは、膨大な資源量がありながら活用例の非常に少ないヘミセルロースを原料とするバイオプラスチックの開発に世界で初めて成功したベンチャー企業。BIPCはこのバイオプラスチックを「HEMIX」として昨年から販売しており、優れた海洋生分解性や流動性を有する素材として、BIPC独自の化学合成技術とさまざまなプラスチック材料との混合技術を組み合わせ、新たな材料開発を積極的に進めている。

 セルロース由来バイオプラスチックとヘミセルロース由来バイオプラスチックはいずれも植物由来で、海洋を含めた生分解性を有するなど環境に負荷を与えない自然回帰型のプラスチックとなる。ダイセルとBIPCは、両社のさまざまな知見、技術、ネットワークを活用して互いの植物由来プラスチックを組み合わせ、植物本来の多様な機能や特徴を引き出した新たなプラスチックの開発を目指す。まず、樹木の特徴である強靭性を最大限に発揮しながらも、成形性や光学特性を兼ね備えた海洋生分解性プラスチックの開発を進めている。さらに、100%植物由来の新素材開発に挑戦し、ひいては地球環境問題の解決への貢献を目指していくとしている。

 

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