エボニックが買収を完了 米国ペルオキシ・ケムを

2020年02月10日

ゴムタイムス社

 独エボニック・インダストリーズは2月7日、ワシントンDC裁判所が連邦取引委員会(FTC)の訴えを棄却したことにより、6億4000万米ドルで米国のペルオキシ・ケム社の買収が完了したと発表した。

 同社は、2018年末にペルオキシ・ケム社を買収する契約をワン・エクイティ・パートナーズと締結している。ペルオキシ・ケム社は過酸化水素(H2O2)と過酢酸(PAA)を製造するメーカーで、利益率の高い特殊用途利用を得意としている。米国以外の反トラスト関連当局が買収をすでに承認しているなか、2019年8月にFTCが買収完了を阻止する訴訟を起こしていた。

 反トラスト法の要件を満たすためにペルオキシ・ケム社は、カナダ・ブリティッシュコロンビア州のプリンスジョージにある工場をいずれ手放すことになるが、同工場は主に標準的な過酸化水素製品を製造し、その収益が占める割合はペルオキシ・ケム社と同社の双方にとって微々たるものとしている。

 H2O2とPAA市場は、サスティナブルな製品やソリューション向けに現在注目を集めており、H2O2は反応後に水素と水に分解されるため、環境に優しく高資源効率であるため、市場取引されている薬品の中で最も純粋で幅広い用途があり、特にサスティナブルな消毒剤としての需要が高い製品となっている。

 ペルオキシ・ケム社のH2O2とPAA事業は、景気動向の影響を受けにくい、環境、食品安全、電子機器向け半導体業界のエンドユーザーを対象にしている。こうした背景から、昨年年に米国テネシー州のメンフィス市にPAAを利用した下水処理場を開設し、成功を収めた。また、同市と長期供給契約を結び、今年も安定的な収益を見込んでいるため、買収価格は当初発表された6億2500万米ドルから、6億4000万米ドルに増額された。

 グローバルに展開する両社は、特に事業内容、ロジスティックス、製品ポートフォリオ、新技術の開発などで、2022年をめどに2000万ドル規模のシナジー効果を見込んでいる。