ＩＤＥＣは３月19日、電線の配線工程においてワンタッチでの取り付けが可能で、省工数・省スペース・耐振動を実現する、プッシュイン接続方式を搭載した各種製品の販売を７月より開始すると発表した。
また、工業用端子台を世界で初めて発売したリーディングカンパニーであり、世界トップクラスのシェアを持つ電気機器の会社で、端子台メーカーの独ワイドミュラー社と、３月１日に戦略的なパートナーシップ契約を締結。制御盤の新しい進化を実現することで、主力事業のさらなる強化を図る。
近年、産業現場における労働人口や熟練工の減少、装置の小形化・高機能化やグローバル化の進展などから、小形化・省スペース、配線工数削減、保守効率化を実現する製品が求められている。
ＦＡ（ファクトリ・オートメーション）分野を中心とするさまざまな現場では、機械や生産ラインを制御・操作するための各種電気機器を収めた「制御盤」が使用されている。制御盤に使用される産業用操作スイッチや端子台、プログラマブルコントローラなどにおいて、日本では、ねじを使った配線方式が主流となっているが、増し締めなど多くの手間と時間を要し、安全面においても感電などを引き起こす可能性があることから、今後はプッシュイン接続方式の需要が伸びると考えられている。
プッシュイン接続方式は欧州を中心に普及が進んでいる方式で、工具を使用せず、指先で差し込むだけで簡単に配線できることから、より効率的に作業を行うことができる。さらに、振動による緩みもないため耐振動性にも優れており、製品配送や長期使用による増し締めが不要となることから、現場の多様化や熟練工の減少に伴い、今後さまざまな制御機器への普及が加速していくものと考えられる。
このような背景から、同社は制御用操作スイッチのトップメーカーとして、プッシュイン接続方式を採用した製品ラインアップをグローバルに拡充することで、生産現場の利便性・安全性の向上や制御装置の合理化など、さまざまな現場の革新を実現するとしている。
ワイドミュラー社は１８５０年にドイツで創業し、１９４８年に現在の会社を設立、世界で初めて工業用端子台を発売した端子台のリーディングカンパニー。産業用の電気的接続機器とエレクトロニクス製品の開発・生産・販売を行っており、世界80ヵ国以上で事業を展開している。
同社は今回締結したパートナーシップ契約により、７月からワイドミュラー社のＤＩＮレール端子台の日本独占販売を開始するとともに、プッシュインにおけるワイドミュラー社の高い技術を活かした各種製品の開発や、技術交流による共同開発なども含めた戦略的パートナーシップを推進していく。
グローバルに事業展開を行う同社とワイドミュラー社の強みを最大限に活かすことができる、今までにない新しい提携関係を構築することで、工作機械や半導体製造装置、自動車といった多様な業界の顧客にトータルソリューションを提供し、制御盤の新しい進化を実現するとともに、グローバルシェアのさらなる拡大を目指す方針。
制御用操作スイッチ
プログラマブルコントローラ
制御用リレー
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