旭化成 中国藍星と変性PPE樹脂事業の合弁契約を締結

2017年02月16日

ゴムタイムス社

 旭化成は2月5日、中国化工集団公司(ケムチャイナ)傘下の中国藍星(集団)股份有限公司(藍星)との間で、変性PPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂「ザイロン」と、その原料であるPPEモノマー、ポリマーを一貫して中国国内で製造・販売する共同事業化に向け、合弁契約を締結したと発表した。

 今後、関連する各国競争法に基づく審査、合弁会社の設立を経た後に、共同事業の経済性を評価し、最終的に投資判断を行う。

 同社グループの中期経営計画「Cs for Tomorrow 2018」では、マテリアル領域におけるエンジニアリング樹脂事業を重点戦略事業と位置付け、グローバルに展開するとともに自動車用途向け等での拡大を目指している。中でも変性PPE樹脂「ザイロン」は、その特長が活かせる車載用電池部品や太陽光発電部品などの環境エネルギー用途で中国での今後の拡大が期待されている。

 同社はシンガポールで変性PPE樹脂の原料であるモノマーとポリマーを製造しており、グローバルで年産6・2万トンの「ザイロン」の能力を有している。変性PPE樹脂の需要拡大が見込め戦略的に重要な中国市場で、さらなる事業拡大の可能性を検討してきた。

 一方、藍星は中国で唯一、PPEのモノマーとポリマーの製造・販売を行っており、需要拡大を睨んで能力の拡充と変性PPE樹脂事業への参入を検討していた。今後、両社でPPEのモノマー、ポリマー、変性PPE樹脂を製造・販売する合弁事業を行うことで、両社は、藍星のPPEのモノマー・ポリマー技術と当社の変性PPE樹脂のコンパウンド技術と用途開発力を融合し、成長していく中国市場でさらなる事業拡大を図る。

 そのため、競争法の審査完了後に両社で合弁会社を設立し、PPEのモノマー・ポリマーと変性PPE樹脂の製造設備建設を検討し、早期の投資決定を目指していく。

 今後は、8月に合弁会社を設立し、最終的な投資判断を来年3月とする予定。検討する製造設備の生産能力は、PPEモノマー・ポリマーが3万t/年(ポリマーベース)、変性PPE樹脂が2万t/年。

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