クラレ 新規光硬化性エラストマーを開発

2015年10月08日

ゴムタイムス社

 クラレは10月8日、独自技術による新規光硬化性エラストマーを開発したと発表した。

 同社独自の高分子技術により、エラストマー部と光硬化性部の分子量や配列を自在にコントロールし、これまでの光硬化性樹脂にはない優れた硬化性と柔軟性の両立を実現した。

 紫外線を当てると素早く固まる光硬化性樹脂は、その加工性の良さなどから、接着剤やコーティング材をはじめ、幅広い分野に展開されている。例えば、ディスプレイや電子部品に欠かせない材料となっているほか、「3Dプリンター」の素材などとしても使用されている。

 同社は今回独自開発した新規光硬化性エラストマーにより、粘・接着剤、コーティング材、成形材料の3領域を中心に、市場開拓を進めていく方針。

 同社は、ポリマーを自在に設計できる独自の「リビングアニオン重合」技術により、成形性に優れたスチレン系の「セプトン」や、柔軟性や透明性、耐候性に優れたアクリル系の「クラリティ」などの熱可塑性エラストマー製品を生み出してきた。

 これらで培ったノウハウを生かし、幅広い分野で市場拡大が期待される光硬化性エラストマーの開発を進め、今回新規光硬化性エラストマーの開発に成功した。

 新規光硬化性エラストマーの特長は、エラストマー部分の長さの調整が容易で、柔軟性と強度の制御が自在にできる点、各種モノマーとの配合の自由度が高く、様々な性能を発現できる点、一般的な光硬化性樹脂に比べて硬化時間が短く、硬化後にも柔軟性を保つ。設計によっては粘着性を発現する点、硬化時に収縮しにくく、寸法安定性が良好な点、アクリル系由来の「透明性」「耐候性」「接着性」などの特長を併せ持つ点などがある。

 また、想定用途としては粘・接着剤領域ではディスプレイ、電子部品、光学用レンズ向け等、コーティング領域では自動車用レンズ・反射板、印刷製版・インク、塗料、建材等、成形材料領域では3Dプリンター、ナノインプリント等がある。

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