ゴムタイムス70周年の画像
ゴム配合・成形トラブル事例とその対策のバナー

ブリヂストン 「バリアフリー用新コンセプトタイヤ」を開発

2017年06月15日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンは6月15日、バス乗降時のバリアフリー化に貢献する「バリアフリー用新コンセプトタイヤ」を開発したと発表した。

 同社はバス停車時に縁石とタイヤサイド部を接触させることにより、バス乗降口と停留所の隙間を小さくする正着性向上(バス乗降時のバリアフリー化)に関する研究を行っている。新コンセプトタイヤは、ゴム自体を摩耗しにくくしていることに加え、接触を繰り返すことによりサイドゴムが摩耗した際は交換可能であることが特長。同時に、昨年12月に発表した「次世代正着縁石」の正着性をさらに向上させた。

 同社は、今後具体的なニーズを持つ顧客とともに、バリアフリー実現に向けた検討を推進し、2020年の実用化を目指していく方針だ。

 正着性向上に関しては、海外の一部地域で特殊な形状とした正着縁石が導入されているが、横浜国立大学「交通と都市研究室」(中村文彦教授)と日本交通計画協会との共同研究を通じて、タイヤサイド部の摩耗・正着距離に課題があることが分かった。

 同社は、接触を繰り返すことによるタイヤサイド部の摩耗が進んだ際の対策として、サイドゴムの貼り替えを可能にする新しい技術を考案した。例えば、サイド部とトレッド部の双方が摩耗した場合は、リトレッド工場で新たなトレッドゴムとサイドゴムを同時に貼り替える。また、サイド部がトレッド部よりも早く摩耗した場合には、シート状のサイドゴムを追加接着することで、タイヤの再使用が可能となる。いずれも、同社のリトレッド技術などを応用している。

タイヤを再使用する技術の考案 交換可能なサイドゴムの搭載箇所
 これらの技術を適用し、タイヤサイド部のゴムをあらかじめ厚くする従来の摩耗対策に比べ、タイヤの重量増や転がり抵抗悪化を軽減できる。また、摩耗した部分のみ交換するため、より省資源で、バス事業者に対してタイヤを「より長く経済的に」使用するモデルの提案が可能になる。

 この交換可能なサイドゴムは、タイヤが縁石と接触する際の耐摩耗性能(削れ難さ)と低摩擦性能(滑りやすさ)に着目し開発した。その結果、この新コンセプトタイヤは、縁石とサイド部が接触した際の摩耗量が従来品の約1/4と、大幅に抑制できることを実車試験で確認している。

 また、昨年12月に発表した次世代正着縁石は、適度に傾斜させた路肩スロープで、容易に安定して正着性を向上させつつ、縁石底ラウンド形状でタイヤサイド部の摩耗を軽減するものだったが、今回は新たに車両接触回避形状を導入することにより、次世代正着縁石の段差を改善した。具体的には、58mmあった段差を減少させるとともに、車体と縁石の接触を回避するため、縁石側に車両接触回避部を有する新たな縁石・路肩形状を考案した。

 この新形状の適用により、さらに25mmの段差減少を実現(段差33mm)し、バス乗降時の車椅子やベビーカー利用者の負担軽減に貢献できると同社では考えている。