再生ゴム特集 回復基調で推移する生産・出荷 人工芝チップの健康リスク 待たれる早期化学的解明

2017年06月12日

ゴムタイムス社

回復基調で推移する生産・出荷

 再生ゴムはタイヤ原料、工業用ゴム製品等に再利用され、廃棄物の発生抑制に貢献する循環型リサイルポリマー。

 2017年1~3月計(経済産業省原材料統計)の再生ゴム生産・出荷実績は、主力の自動車タイヤ向けでは昨年末からの自動車タイヤ生産の回復で、生産が1~3月計で4300t、同106・3%、出荷6億6438万9000円、同106・5%となっており、2年続けて落ち込んできた再生ゴム生産・出荷は底を脱しつつある。再生ゴム消費実績でも本年3月は前年同月比106・8%と急回復、特に工業用品向けは同111・9%と二桁の伸びを見せており、前年同期が低水準であった反動ともみられるが、需要が回復基調にあることがみてとれる。今後の需要見通しについても、冬用タイヤが前年の降雪で在庫が一掃されていることもあり、タイヤ各社の冬用タイヤの生産が活発化するものとみられ、工業用品向けも土木・建設工事関連のシート、人工芝などに使用されるゴムチップ需要が伸びつつあるとし、再生ゴム各社では今後の需要拡大に期待を寄せている。

 16年年間の再生ゴム消費量(経済産業省原材料統計)は2万854t、前年比94・0%と15年に続き2年連続で前年実績を下回った。自動車タイヤ向けが1万3634t、同94・8%、自動車タイヤを除く工業用品向けも7220t、92・6%と落ち込んでおり、タイヤ向けは自動車生産にスライド、工業用品向けはゴムシート類の需要鈍化が響いた。

 再生ゴムの生産・出荷統計も16年年間の生産は下期以降、回復の兆しをみせつつあるものの1万6257t、同99・3%と横ばいで推移、出荷金額も年間では25億9200万円、同97・4%と落ち込んだ。

 再生ゴムは主に天然ゴム比率が高いトラック・バス用タイヤのトレッド部分が使用されており、廃タイヤを破砕し、繊維、スチールワイヤー等ゴム以外のものを除去した後、再生剤とオイルを混合、加熱し、ロールでシート状にして製品となる。一般的にはもとの原料ゴムに比較して物性が劣ることから、材料としての利用範囲が限定されている。このため、再生ゴムメーカー

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