BASF ブタンジオール製造へ参入を計画

2013年05月14日

ゴムタイムス社

 BASFは13日、Genomatica社(ジェノマティカ)が特許権を所有する製造プロセスを使用した、再生可能原料ベースの1,4-ブタンジオール(BDO)の製造への参入を計画していると発表した。GenomaticaのBDO製造のための一段階発酵プロセスは、再生可能原料の糖を使用して行われる。両社は契約の財務上の詳細は開示しないことで合意している。
 このライセンス契約の締結により、BASFは、Genomaticaの製造プロセス技術を使用して、再生可能原料ベースのBDOの製造を目的とした世界的規模の生産設備を建設することが可能になる。契約の条項に従って、Genomaticaは、今後も同社が特許権を所有する、糖をベースにしたBDO製造プロセス技術の向上を目指し、BASFは再生可能原料ベースのBDOを製造していく。トライアル用サンプルは2013年下期に市場に供給する。
 BASF中間体事業本部プレジデントであるサンジブ・ガンジー氏は、「BASFがGenomaticaの製造プロセスを選択した理由は、それが格段に先進的であり信頼できるから。BASFの企業戦略である『We create chemistry(私たちは化学でいい関係をつくる)』に沿って同社が目指すことは、再生可能原料ベースのBDOを提供し、プラスチック業界、テキスタイル業界や自動車業界などの顧客のために、さらなる価値を創造することだ」と述べている。
 また、Genomaticaの最高経営責任者であるクリストファー・シリング氏は「私たちは、世界的規模の製造および販売ネットワークを持つとともに、市場での長年の経験を有する、世界有数のBDOメーカーであるBASFと協力できることをうれしく思う」と語っている。
 BDOおよびその誘導体は、プラスチック、溶剤、電子材料化学品、および弾性繊維の製造に広く使用されている。従来のBDO製造の出発原料は、天然ガス、ブタン、ブタジエン、プロピレンなど。BASFは、現在BDOおよびBDOと同等品を、ドイツのルートヴィッヒスハーフェン、米国のルイジアナ州ガイスマー、日本の千葉、マレーシアのクアンタン、および中国の漕涇(カオジン)で製造し、年間製造能力は53万5千トン。また、同社は中国に年産能力10万トンのBDO生産工場の建設を計画していることを、2013年3月に発表している。

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