【合成ゴム特集】住友化学 S‐SBR 新規市場開拓に注力

2012年08月29日

ゴムタイムス社

サウジのEPDM新工場 年産10万トンで16年稼働目指す

住友化学

  住友化学の機能樹脂事業部合成ゴム・エラストマー部は、今後、高い成長が見込まれる省燃費タイヤ向け溶液重合法スチレンブタジエンゴム(S―SBR)はじめ自動車用部品を主用途とする合成ゴム「エスプレンEPDM」の海外プラントの建設計画を相次ぎ発表、ゴム・エラストマー事業の拡充・強化を図っている。
 S―SBRは、世界的に自動車燃費規制が強化される中で、高性能省燃費タイヤ用の原料として需要が急速に拡大しており、同社では中でも成長著しいアジア市場における供給上の地理的優位性や、原料ブタジエンの安定的な確保、同社グループの既存事業との連携といった観点から、シンガポールにおいてS―SBR製造プラントを建設することを決め、2012年1月に着工した。 設備の完成は2013年6月、商業運転開始は2013年第4四半期を予定している。また、将来さらなる需要の増加が見込まれることから、同社では第2期計画の検討も進めている。
 国内に保有する既設プラント(千葉工場・年産1万㌧)ならびに今後の拡張計画と合わせ、同事業のグローバル展開をより一層推進して行く計画。
 独自の製造プロセス技術と高性能化のカギとなるポリマー変性技術を活かしたグレード開発により、同社のS―SBRは高い省燃費性と耐磨耗性を有する優れたタイヤ材料として、顧客である国内外のタイヤメーカーから高い評価を得ている。

 一方、合成ゴム「エスプレンEPDM」については千葉工場で年産4万トン能力を有するが、EPDMの需要は、足元、中国向けの需要ダウンが響き、弱含みで推移しているものの、自動車用ゴム部品向けをはじめ自動車の軽量化要求に伴うオレフィン系熱可塑性エラストマー「エスポレックスTPEシリーズ」の原料としての需要拡大もあり、世界的にも需給タイトの状況が続いている。このため、同社ではサウジアラビアの石油精製・石油化学事業「ラービグ」の拡張計画(第2期計画)でEPDM(8万トン)、TPO(2万トン)を合わせた年産10万㌧の新プラント建設を正式決定、2016年年初稼働を目指す。
 EPDM販売は国内自動車生産の回復に伴い、生産は前年並み水準までに戻ったが、海外向け輸出が中国景気のスローダウンにより落ち込み、足元、前年同期比10%前後のダウンとなっている。
 下期以降の需要見通しについては、自動車のエコカー減税終了に伴う反動も予想され厳しいとしながらも、海外でのスポット需要の拡大、日系メーカー以外の現地メーカーへの拡販を図ることでカバーしていくとしている。
 今後の事業課題についてはS―SBRプラントの早期立ち上げと原材料価格高騰に対応した価格改定による収益の安定確保を図ることとし、環境規制の強化に合わせた省燃費タイヤ需要は今後とも期待されることから、海外タイヤメーカーへの新規市場開拓に注力、千葉工場でのフル稼働でシンガポール工場の立ち上げに合わせたプレマーケティングを行っていくとしている。

(2012年8月27日紙面掲載)