【合成ゴム特集】宇部興産 BRを中核基盤事業と位置づけ

2012年08月29日

ゴムタイムス社

BRを中核基盤事業と位置づけ  千葉工場の生産能力を増強

宇部興産

 宇部興産は中期経営計画でBR(ポリブタジエンゴム)事業を中核基盤事業と位置づけており、製品の差別化及び需要に応じた供給体制の確立を図ることとし、日本、タイ、中国に次ぐ第4工場建設の具体化を急いでいる。
 第4工場については今後のアジアでの高い成長を考慮して、原料ブタジエンが確保できるアジア地区での年産5~7万トンプラントの建設を計画しており、近く新設プラントの概要を発表する予定。
 また、同社は日本はじめアジア地区でのBRの長期的な需要増に対応、千葉工場でのBR生産能力の増強(1万5千トン/年)を進めていたが、2012年8月に完工、生産を開始した。さらに千葉工場では国内タイヤメーカーの生産拡大、低燃費タイヤ向けのBRでの拡販、MBR(メタロセン触媒BR)の本格稼働で生産余力がなくなることから、同社では設備増強の第二段階として2013年末の完工を目指し、更に1万5千トン/年の能力増強を計画している。この結果、2013年末には千葉工場の生産能力は年産12万5千トンまでに拡大されることになる。
 一方、中国の台橡宇部(南通)化学工業の南通工場では、足元、中国経済の鈍化で需要が落ち込んでいるが、中国の実需は長期的には旺盛で計画通り2万2千トン/年の能力増強を行い年産7万2千トン体制としている。この結果、同社のBRのグローバル生産能力は2013年末には千葉工場12万5千トン、タイ工場7万2千トン、中国・南通工場7万2千トンの合計26万9千トン体制となり、アジアでは最大級、独立系BRメーカーでは世界トップクラスとなる。
 足元の需給動向は、メインのタイヤについては欧州の景気に対する不透明感、中国景気の足踏みなどにより、中国ローカルメーカーの稼働率も落ちているほか、米国も停滞気味となっている。国内需要は自動車生産の回復やスタッドレスタイヤの新モデル生産もあり、堅調に推移しており、生産面では千葉工場では定期修理明け後からフル生産が続いているという。
 同社のBRはタイヤ(7割)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)(15%)及び靴底向け(15%)が主な用途であり、タイヤ向けでは大手タイヤメーカーの生産能力拡大、新工場建設を進めているほか、省エネタイヤに対する特殊品のニーズ増加から需要は引き続き旺盛。
 同社では足元の経済状況は停滞しているが、BRの需要は確実に伸びるとし、さらなる需要の拡大期にいかに供給力を整えていくかが最大課題としている。
 また、原料面ではブタジエン価格がアジア地区での合成ゴムの需要ダウンで弱含みで推移しているものの、ブタジエン価格の乱高下が続く構造となっており、こうした状況下、いかに安定的な原料確保が維持できるかにかかるとしている。

(2012年8月27日紙面掲載)