DUNLOPは8月19日、国際的な天然ゴム研究のプラットフォームであるHRPPのプロジェクトとして、タイ王国天然ゴム公社(RAOT)、フランス国際農業開発研究センター(CIRAD)、タイ王国のカセサート大学およびコンケン大学と共同研究協定を8月7日にタイ・バンコクで締結したと発表した。
同研究では、ゴムノキから天然ゴムの原料となる樹液(ラテックス)を採取(タッピング)する回数を減らす「低頻度タッピングシステム」が天然ゴムの品質や内部構造に与える影響を調査する。あわせて、ゴム農家が同システムを導入する際の課題や促進のための要因を分析する。これにより持続可能な天然ゴム調達に向けた取り組みを加速していく。
これまでの研究では、ラテックス生産を促進する植物成長調整剤を併用することで、3日に1回のタッピングでも、従来の2日に1回の方法と比べて生産性やゴム品質の面で有効な結果が得られている。その成果についてはこれまでに2件の学術論文を発表している。また、4日に1回、6日に1回、10日に1回のタッピングについても研究が進められているが、そこで得られる天然ゴムの品質や特性は十分に解明されていない。さらにゴム農家が同システムを導入する際のコストや労働負担の変化などの課題や導入促進のための要因については、さらなる検証が必要となる。
同研究では、「低頻度タッピングシステム」における採取頻度の違いが天然ゴムの品質や内部構造に与える影響に加え、その導入に伴う社会経済的側面について調査する。得られた技術や知見を活用し、持続可能な天然ゴムの調達推進に貢献する。
同社は持続可能な天然ゴムの調達に向け、「生産性向上」と「労働環境改善(天然ゴム加工所など)」の両面から研究開発を実施しており、生産性向上については、組織培養技術を活用したゴムノキ苗の研究を進めている。
同社グループの主力製品であるタイヤの原材料には、自然資本である天然ゴムが使われている。長期的かつ持続的に天然ゴムを調達するためには、QCD(Quality、Cost、Delivery)だけでなく、環境や人権などにも配慮し、持続可能な資源調達の必要性を認識している。
同社グループは企業理念体系「Our Philosophy」を体現するために、マテリアリティ(重要課題)を特定している。「生物多様性」「人権」は、同社グループが掲げる7つのマテリアリティに含まれており、「天然ゴムなど自然資源への依存と影響を自覚し、周辺の生態系と共存する企業」「同社グループにかかわるすべての人の人権を尊重する企業」を目指している。
2026年08月21日

