朝日ラバーのナノシート電極が採用 ボーケンガーメンテックの筋電位測定評価

2026年08月21日

ゴムタイムス社

 朝日ラバーは8月20日、同社が開発・販売する「ナノシート電極」が、繊維製品などの品質試験・機能性評価を行う第三者試験機関であるボーケンガーメンテックの筋電位測定評価に採用されたと発表した。
 同社が独自で開発した「ナノシート電極」は、生体適合性を持つシリコーンゴムと導電性高分子(PEDOT:PSS)で構成された電極となる。厚みを1000nm以下まで薄膜化した極薄のシートであり、専用のケーブルを含めてもその厚みはわずか0・2mm以下となる。
 粘着剤を使用せず、水を使ってタトゥーシールのように肌へ直接貼り付けることができる。肌への刺激を確認する24時間閉塞パッチテストにも適合しており、装着時の違和感が極めて少なく、一般的な電極と同等に電気信号を読み取ることが可能となる。
 導電性高分子はPEDOT:PSSという導電性高分子を使用している。導電性ポリマーの一種で、ポリ(3・4ーエチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)から成る複合物の略称で、他の導電性ポリマーに比べ、透明性、成膜性に優れている。
 ボーケンガーメンテック社では、アパレルメーカーやスポーツ用品メーカー、作業服メーカーなどからの依頼を受け、衣料品や日用品の機能性および快適性の評価を行っている。同社のナノシート電極は、そうした評価の一環である筋電位測定(筋肉の活動量の評価)に使用される。具体的な測定例として、靴の種類による歩行時の足裏筋活動の比較(安定性や踏み込みの違いの検証)、軍手や作業用手袋を着用してペットボトルを握った際の手のひら筋活動の比較(作業負担の検証)などの場面で活用されている。
 従来のゲル電極などの表面筋電位電極は約3mmの厚みがあり、靴や手袋の中などの狭い空間に装着すると、違和感や不快感により被験者の自然な動作が制限されるという課題があった。同社のナノシート電極は、厚みを極限まで減らしながらも従来の電極と同等の測定性能を維持している点が高く評価された。電極を貼っている感覚を忘れるほどの薄さにより、従来は困難であった靴や手袋などを装着した状態や手のひら・足の裏などの凹凸が複雑な部位でも、自然な動きを妨げることなく筋電測定を行うことが可能となる。
 ボーケンガーメンテックに同電極が採用されたことで、実際の生活環境や使用環境に近い、自然な動作のまま生体データを取得できるようになった。これにより、靴や手袋が人体に与える負担や製品の使いやすさを定量的なデータとして客観的に可視できる。例えば、少ない力でも物を保持できる作業用手袋などの負担軽減効果を具体的なデータで提示することが可能となる。客観的で精度の高い第三者評価データが提供されることで、各メーカーにおける、より快適で使いやすく、人への負荷が少ない製品の開発推進に大きく貢献できると期待している。
 同社では2026年4月から中期経営計画をスタートさせ、2030年とその先に向けて、モビリティ、医療、スポーツ・健康、生活の市場のウェルネス領域に向けた事業展開に取り組んでいる。このたびの「ナノシート電極」は、自然な動きを妨げずに人の動きにおける筋電測定を行うことができることから、市場のウェルネス領域に貢献できる技術・製品となる。同社は今後も、独自の技術を活かした製品展開を通じ、センシング分野および社会の発展に貢献していく。

ナノシート電極

ナノシート電極

ナノシート電極を手のひらに貼り付けた例

ナノシート電極を手のひらに貼り付けた例

手のひら筋活動の測定に利用できる

手のひら筋活動の測定に利用できる

 

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