日本ゼオンは6月30日、SOLIZE Ureka Technologyと提携し、プラント設計業務における形式知化を通じた業務改革を実現したと発表した。
これにより、安定・安全生産の肝となるプラント設計業務の効率化と品質向上を実現し、競争力の強化を図るとともに、ベテラン社員のノウハウ継承による次世代人材育成への貢献も期待される。
同社では、事業拡大と設備の高度化が進む中で、安定・安全生産に欠かせないプラント設計業務の効率化と品質向上がかねてより大きなテーマとなっていた。その一つが、化学プラント設計において非常に重要なP&ID(配管計装図)の作成およびレビュー業務となる。
P&IDは、設計から建設、運転、保守に至るまでのエンジニアリングの基本となる重要資料であり、その作成には高度な知識や経験を要するため、属人化や知見活用の観点で課題を抱えていた。
そこで、同社とSOLIZE Ureka Technologyは、当該業務のプロセスを見える化するとともに、暗黙知のノウハウを言語データとして整理したシステムを構築した。同システムでは、単なるデータの蓄積ではなく、活用しやすいノウハウの形式知化を定義することで、設計者が必要な情報を一目で瞬時に判断することが可能となった。
さらに、構築した設計ノウハウ資産を将来にわたって活用し続けるために、設計者の「探しやすさ」に着目したプラットフォームを整備することで、迅速なデータ参照が実現した。これにより、形式知を組織の資産として蓄積できるうえ、業務効率化や設計品質向上といった効果が生まれている。
課題として、「ノウハウの属人化」では、ベテラン技術者の経験や判断が個人の知識に依存、体系的な共有が困難となっていたことから、P&ID検討・レビュー業務のプロセスを整理・可視化した。
「レビュー負荷の増大」では、品質確保のためレビューを重ねる一方で、工数や関係者の負荷が増加していたことから、レビューで得た指摘や設計時の判断内容や根拠を整理・可視化した。
「設計品質のばらつき」については、設計者の経験差によるばらつきが発生していたことから、有用なノウハウを必要なタイミングで検索・参照可能な情報プラットフォームを整備した。
「知見活用が困難」については、情報が分散し、迅速な参照ができないことが課題となっていたため、設計者視点に基づいた検索システムを設計・構築した。
効果として、ノウハウを個人の経験に依存せず、組織の資産として蓄積、より有用なノウハウを必要なタイミングで検索・参照できるようになり、設計検討のばらつきが低減し、設計品質が向上、設計品質向上により、レビュー指摘件数が1/3件に削減、チェック漏れの低減や再発防止、レビュー品質が向上した。
今後も同社は、データ蓄積や分析、AIとの連携といった先進技術の導入を進めながら、今回のような着眼点での取り組みを他の生産革新にも水平展開することで、さらなる安定・安全生産体制と持続可能なものづくりの実現を目指す。
2026年07月01日
