三菱電機、絶縁用エポキシ樹脂開発 バイオ度40%で高耐熱・流動性実現

2026年06月11日

ゴムタイムス社

 三菱電機は、電気系統分離や安全性確保などを目的に電気を遮断する絶縁用の材料として、バイオマス由来成分を40%以上含有し、高い耐熱性や流動性を有するエポキシ樹脂を開発した。
 絶縁用樹脂には、加熱や化学反応によって一度固まると再溶融しない熱硬化性樹脂の一種である、エポキシ樹脂が広く使われている。エポキシ樹脂は、絶縁材料に求められる耐熱性や流動性に優れる一方、その特性からリサイクルが困難で、焼却処理が一般的に行われているため、環境負荷の軽減が課題となっている。このような中、原材料の成長過程におけるCO2吸収によって焼却時のCO2発生を相殺し、ライフサイクルにおける実質的なCO2排出を抑制できる植物由来のバイオマス材料を使用したエポキシ樹脂が求められている。しかし、これまではバイオマス由来成分の割合を増やしながら耐熱性や流動性を維持することが困難であったため、エポキシ樹脂のバイオマス度は20~30%程度に留まっていた。
 今回開発したエポキシ樹脂は、主剤の一部にバイオマス度100%のエポキシ化合物を使用し、さらにバイオマス度約 70%の添加剤を配合することで、バイオマス度 40%以上を達成しつつ、高い耐熱性と流動性を確保。添加剤を含む樹脂の硬化プロセスを制御することで、ガラス転移温度(Tg)180℃以上という優れた耐熱性を実現している。加えて、液状の主剤と低粘度の添加剤を使用し、さまざまな製品に合わせた成形が可能な流動性も確保している。
 高耐熱性を実現すべく、主剤のエポキシ樹脂(バイオマス度100%)と硬化剤から、網目状の架橋ポリマーを形成。そこに結合によって耐熱性を示す線状ポリマーを形成するモノマー(バイオマス度約 70%)を添加剤として配合している。
 また、様々な製品に合わせた成型が可能な流動性確保に関する特長としては、主剤には液状のエポキシ樹脂、添加剤には分子量が小さく高い流動性を有するモノマーを使用している。配合比率の適正化によって、注型や封止による成形が可能な高い流動性を確保している。今回開発したバイオマス由来のエポキシ樹脂に、汎用の充填材を配合した場合も、成形性が損なわれないため、産業用途での使用が可能だ。今後はさまざまな製品の要求特性を満たすバイオマス由来絶縁材料の開発を進め、モーターなどの同社製品への適用を目指す。

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