リケンテクノスが共同開発 自動車用電線のリサイクル手法

2026年05月21日

ゴムタイムス社

 リケンテクノスは5月19日、東北大学と共同で自動車用電線(ワイヤーハーネス)に使われるPVC製被覆材のリサイクル手法の検討を発表した。
 同社は、東北大学と共同でポリ塩化ビニル製品の一つであるワイヤーハーネス被覆材のリサイクル技術開発を進めている。
 廃車から回収されるワイヤーハーネスのリサイクルでは、細かく粉砕され比重選別により銅と被覆材に分離されるナゲット法が主流となっている。回収された銅は再利用されているが、被覆材はPVCを含む複数種の樹脂に一部銅紛が混入しているため、再資源化が困難となっている。
 同社では、東北大学大学院環境科学研究科の吉岡教授・熊谷准教授らのグループが開発した高品位な銅およびPVC製被覆材をそれぞれ回収することを可能とするワイヤーハーネスの高度湿式剥離処理技術に着目し、PVC製被覆材の再利用に関する共同研究を進めている。
 この高度湿式剥離処理は、ワイヤーハーネスを有機溶剤に浸漬することでPVC製被覆材を膨潤させ、ボールミルで適切な衝撃力を加えることで銅線とPVC製被覆材の分離回収が可能となる技術で、従来の手法であるナゲット法に比べて高い分離性能を有するため、高純度のPVC製被覆材を回収することができ、各種PVC製品への再利用が期待される。
 同社では、この技術によって回収されるPVC製被覆材を、未使用のPVCや可塑剤、安定剤などの各種添加剤と組み合わせ、再コンパウンド化の検討を進めてきた。配合処方や混練条件を最適化することで、回収被覆材の含有率を40%まで高めても従来製品と同等の力学物性を示すことをラボ検討の結果として確認している。
 今後はコンパウンド再生品の用途展開をさらに進めるとともに、用途に応じた剥離処理法や配合処方の最適化にも共同で取り組んでいく。
 なお、同共同研究の成果は、5月27日~29日にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2026 YOKOHAMA」にて出展予定となる。
 同社は、PVCをはじめとする各種プラスチックの新たな有効利用の可能性を見出し、持続可能な社会の実現に貢献していく。

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー