農業・食品産業技術総合研究機構と旭化成は2月24日、両者の共同研究成果を社会実装することを目的に、両者の出資・支援を受けたベンチャー企業として、農研ネイチャー・ポニックスを2026年2月2日に設立したと発表した。
両者は2019年より、家畜排泄物や食品残渣などのバイオマスを液体肥料化し、国内で窒素を製造する「プロバイオポニックス技術」の共同研究を進め、2025年には液体肥料を自動で製造するシステム「Nature Ponics」を確立した。この技術は、化学肥料と同等の栽培性能を示すことが確認されており、持続可能な農業に向けた実用化が期待されている。
今回設立された農研ネイチャー・ポニックスは、これらの技術を基盤に、液体肥料製造プラントの製造受託や技術支援、製造した液体肥料の販売を行う。CEOには旭化成で研究を進めてきた井手上尚弘氏、COOには竹下英亘氏、CTOには農研機構の篠原信氏が就任し、研究成果を迅速に社会へ届ける体制を整えている。
農研ネイチャー・ポニックスは、農研機構が制度化している「農研機構発ベンチャー企業認定制度」により認定された3社目の企業であり、共同研究から生まれた企業としては初の事例となる。社会実装という農研機構の重要な方針の一端を担う企業として、持続可能な農業の実現に向けて重要な役割を果たすことが期待されている。
今後、農研ネイチャー・ポニックスは、Nature Ponics技術を活用し、多様な有機質原料を循環利用する液体肥料製造の普及を進め、化学肥料依存の低減と環境負荷の軽減、そして持続可能な農業の実現に貢献していく。
農研機構が確立したプロバイオポニックス技術は、バイオマスを微生物によって分解し、植物が吸収しやすい養分(窒素)へと変換して養液栽培に活用する技術となる。未利用資源を活用できるため環境負荷の低減につながり、農産物の高付加価値化も期待できる。しかし、プロバイオポニックス技術による栽培では、適切なタイミングと量を見極めて養液にバイオマスを投入する必要があり、その難しさや作業負荷が普及上の課題となっていた。
旭化成は農研機構との共同研究を通じて、誰もが取り組みやすい栽培方法の実現を目指し、適時適量のバイオマス投入量を解析し、自動で養液に供給するシステム「Nature Ponics」を開発した。
2026年02月26日
