主要上場ゴム関連企業の26年3月期第3四半期連結決算が出揃った。20社合計(26年1月29日に上場廃止となった住友理工を除く)の売上高は2兆6179億1300万円で前年同期比0・4%増となった。20社のうち増収企業は12社(前年同期は10社)となった。
上場ゴム関連20社の26年3月期第3四半期を取り巻く環境をみると、主要需要先である自動車産業については、国内の自動車生産は各社で好不調の明暗が分かれ、全体では前年並み。一方、海外もメーカーや地域によって好不調の差が大きい。日系自動車メーカーの販売が堅調な北米やインドは売上が伸びている半面、日系車が販売シェアを落としている中国とタイ市場は厳しい環境下が続いている。このうち、トランプ関税の影響が懸念された北米は、日系車メーカーが得意とするハイブリッド車の販売が好調。受注車種の増加を背景に、上場ゴム企業の北米事業は売上・利益とも堅調に推移している。
自動車以外では、半導体関連は生成AIなどハイエンド向けな材料は活況を呈しているが、自動車や電機製品などに用いられる汎用向け材料や部品は本格回復には至っていない。工作機械や射出成形機など一般産業機械向けのゴム部品は伸び悩みの状態が続く。建設機械向けで用いられる高圧用ホースなども需要は停滞している。その結果、上場ゴム関連企業の業績は対面業界や地域の状況で明暗が分かれる結果となっている。
増収企業で最も増収率が高かったのは櫻護謨の20・9%となった。主要セグメントである消防・防災事業は例年に比べて納入案件が多く、航空・宇宙、工業用品事業は量産機体部品の販売とタンクシールの大型案件が堅調に推移した。2位は豊田合成で同5・5%増。日本やアジア、インドなどで顧客の増販効果があり増収となった。
営業利益は1673億9200万円で同5・6%増となった。増販効果に加え、原価改善努力や生産最適化の推進など合理化活動を継続することで、営業利益は前年同期を上回った。
営業増益企業は豊田合成、日本ゼオン、バンドー化学、三ツ星ベルト、西川ゴム工業などの15社。このうち、アキレスの営業利益は24億1900万円で前年同期の5500万円から44倍、相模ゴム工業の営業利益は1億9400万円で前年同期の1500万円から13倍となったほか、櫻護謨と朝日ラバーは黒字転換した。
営業利益額1位の豊田合成は525億1600万円で同11・5%増。価格改訂や昇給影響がある中で、原価改善や増販効果などで2桁増益だった。
2位の日本ゼオンの営業利益は276億円で同14・2%増。エラストマー素材事業の営業利益は前年同期比並みとなるも、高機能材料事業では高機能樹脂関連で大型テレビ向け光学フィルムの需要増加などがけん引し2桁増益となった。
経常利益は1918億1200万円で同12・1%増となった。なお、豊田合成と住友理工、バンドー化学は国際会計基準(IFRS)を採用しているため、3社の経常利益は便宜的に税引前利益の数値を使用している。
四半期純利益は1409億9600万円で同14・9%増となった。純利益で前年同期を上回ったのは8社。このうち、ナンシンと櫻護謨、朝日ラバーは黒字に転換した。
26年3月期通期の連結業績予想については、増収営業増益を予想する企業は9社。なお、第3四半期の業績発表時に通期予想を修正したのは豊田合成、アキレス、西川ゴム工業、フコク、バルカー、タイガースポリマー、ナンシン、不二ラテックス、朝日ラバー、日本ゼオンの10社となった。豊田合成は顧客の生産台数増加や為替影響などを反映して、売上収益、利益予想をいずれも上方修正した。また、アキレスは売上高、当期純利益は据え置く一方、営業利益と経常利益は前回予想から上方修正した。
西川ゴム工業は売上高、利益予想をいずれも上方修正した。顧客の自動車生産が予測より減少していないことに加え、為替動向が想定以上に円安に振れており、海外子会社の業績が予想を大きく上回っていることを理由とした。また、タイガースポリマーも売上高、利益いずれも上方修正した。日本での自動車部品の販売が堅調に推移していることに加え、為替レートが当初想定よりも円安方向に振れていることが理由となっている。
朝日ラバーは売上高、利益いずれも上方修正した。売上は工業用ゴム事業の自動車向け製品のOリングや精密用ゴム部品及び卓球ラケット用ラバーの受注が増加したこと、利益も売上高が当初予想を上回ったことをその理由とした。
日本ゼオンは売上高は前回予想から下方修正する一方、営業利益、経常利益、当期純利益は上方修正した。
2026年03月03日
