デンカらがESDシートを開発 早期消化管がん治療を学習可能

2026年01月16日

ゴムタイムス社

 東北大学、デンカ、ユー・エーは1月14日、早期消化管がんに対する高難度な低侵襲内視鏡治療として、日本で開発されたESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を、包括的に学習可能なドライシミュレータを開発したことを発表した。
 独自開発した軟性素材により、ヒト消化管類似の粘膜・粘膜下層・筋層・血管を構築し、電気メスで処置可能な多層構造ESDシートを作製した。また、空気量の変化に追従する消化管管腔と組み合わせることでリアルな手技を再現できる。
 処置中の出血を再現し止血も可能となる。誤って筋層を傷つけると壁外の脂肪層が観察され、穿孔(穴が開くこと)の視覚的再現が可能なため、危険な処置を減らし、安全な医療への貢献が期待される。

 ESDは、早期消化管がんに対して根治性が高く低侵襲な治療が可能である一方、穿孔や出血などの合併症リスクが高く高度な技術習得が不可欠で、初学者が安全に練習できるトレーニング環境が不足しているという課題がある。東北大学大学院医学系研究科消化器病態学分野の菅野武准教授、正宗淳教授の研究グループとデンカは、ユー・エーとの共同研究の成果をもとに、「Medical Rising STAR」プロジェクトの第3弾として実際の内視鏡と治療用具を用いて、早期消化管がんに対する内視鏡治療の中心であるESDの局所注射~粘膜切開~粘膜下層剥離~出血コントロール~病変摘出の包括的な流れを学習でき、危険な筋層傷害時の穿孔合併症を体験できるシミュレータを開発した。
 本研究成果は2026年1月8日付で臨床医学の専門誌Endoscopyにビデオ論文としてオンライン掲載された。
 なお、本モデルは販売に向けた準備を進めている。

シミュレータ外観(左:上部消化管モデル 右:下部消化管モデル)

シミュレータ外観(左:上部消化管モデル 右:下部消化管モデル)

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー