東レは1月9日、オールカーボン製の二酸化炭素(CO2)/メタン分離膜を用いて、大阪府内の下水処理場に設置されたバイオガス製造設備にてCO2と水分の同時除去に成功したと発表した。これにより、既存技術と比べて水分除去コストを約70%削減できることを確認した。
近年、世界的なエネルギー不足や脱炭素化の流れを背景に、より高効率なCO2分離技術が求められている。同社はこれまで、高い化学的耐久性と優れた分離性能を持つオールカーボン製のCO2/メタン分離膜開発を推進し、天然ガスやバイオガスの精製、工場排ガスからのCO2分離などへの適用を目指してきた。この中で、廃棄物などの発酵により生成するバイオガスから不純物を分離してバイオメタンを得るバイオガス精製では、主な不純物であるCO2以外にも、水分などの除去が不可欠となる。しかし、既存の膜分離プロセスで使用される高分子膜やゼオライト膜は、耐久性の問題から吸着剤などで事前に水分を除去する工程が必要であり、メタン精製設備の大型化とコストの増大が課題だった。
同社は、このたび、大阪府内の下水処理場に設置されたバイオガス製造設備において、オールカーボン製のCO2分離膜でCO2と水分を同時に除去できることを実証した。これにより顧客からの要望である、水分を除去する工程を簡素化したコンパクトなバイオガス精製プラントが実現できるとともに、既存の膜分離膜技術を使用した場合と比べて、水分除去コストが約70%削減できることを確認した。現在、顧客と連携して、1年間の長期実証を進めている。
また、同技術はバイオガス以外にも天然ガス精製の効率化や、工場排ガスなどからのCO2分離・回収及びCCUSへの展開も期待される。
同社は、企業理念である「わたしたちは新しい価値の創造を通じて社会に貢献します」のもと、地球環境や資源・エネルギー問題の解決に貢献し、カーボンニュートラルやサステナブル社会実現のため研究・技術開発に挑戦し続ける。
この成果の一部は、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成事業の結果得られたものとなる。
2026年01月15日
