年頭所感 日精樹脂工業 依田穂積社長

2026年01月07日

ゴムタイムス社

 皆さん、あけましておめでとうございます。
 本日は、年頭にあたり、まず私たちが置かれている射出成形機業界の現実を共有し、そのうえで当社が今年迎える大きな転換点についてお話しします。

 現在の当業界と当社の立ち位置についてですが、現在、私たちが直面しているのは「不況」ではなく「構造的変化」です。射出成形加工業では、自動車の生産台数の減少、家電・OAの成熟化、中国・ASEANの過剰設備、小ロット・多品種化の進行など、「作れば売れる」時代は完全に終わりました。
 そして射出成形機メーカーである私たちも、その影響を最も強く受けております。世界の成形機の設備供給は過剰になり、販売競争の質は完全に変わり、日本製とか品質が良いという理由だけでは選ばれなくなりました。価格、対応スピード、アフターサービス等、総合力が問われています。
 さらに、成形品需要の変化により、機械の設計思想そのものが揺さぶられています。大量生産・高速成形から、柔軟性、省エネ、自動化、デジタル連携等、求められる価値が根本から変わりました。これは「景気が回復すれば元に戻る」という期待は完全に捨てなければならないところにきているといっても過言ではありません。
 そして今年、私たちはTOYOイノベックスとの経営統合を迎えます。この統合は、単なる企業同士の合併ではありません。日本の射出成形機産業が生き残るための「産業的決断」です。それは日本の技術力を世界に示すための舞台、国内メーカーが分断されてきた歴史を終わらせる契機、そして世界市場で再び日本の存在感を取り戻すための唯一のスキーム。これが統合の本質です。

 経営統合にあたっては会社全体の覚悟が問われます。現場任せ、部門任せ、前例踏襲では、もう通用しません。日本の技術力を世界に示すための「歴史的なチャンス」ではありますが、そのチャンスを掴めるかどうかは、私たちがどこまで統合に向けた改革を進められるかにかかっています。私は、皆さんとなら必ず乗り越えられると信じています。ともに、この難局を突破し、未来を切り拓いていきましょう。

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