年頭所感 東レ 大矢光雄社長

2026年01月06日

ゴムタイムス社

 2025年度が最終年度となる中期経営課題「プロジェクトAPーG2025」では、新たなKPIとしたROICを上位概念として成長戦略と収益改善に取り組んできた。これらは大きな成果を生んでおり、これからも引き続き生産・販売・技術・研究で連携し、新たな価値の創出や、資本効率の改善につなげていきたい。
 また、近年、日本でも労働市場の流動性が高まっている現状を踏まえ、対応施策を推進するとともに、自身も社員との交流の機会を増やし、そこで得られた気付きを組織の活性化や業務効率化などに反映してきた。
 今後も「『人を基本とする経営』の深化」に取り組み、社員が生き生きと働き、課題に自律的に挑戦していく企業風土を実現することで、3年連続での増益とROICの中期経営課題目標値を達成したいと考えている。
 
 2026年は、次期中期経営課題をスタートさせる年である。当社が「真のサステナブルな会社」となるために、「経済的価値」と「社会的価値」を両立し、社会に貢献する高収益企業を目指すことを策定方針とした。
 「経済的価値」の向上では、ROICを上位概念とした「収益力の向上」と「資産効率の改善」が課題となる。2030年近傍のあるべき姿からのバックキャストで足下の課題を設定し、強い「勝ちパターン」を持った事業に経営資源を優先的に配分していく。「社会的価値」の向上では、環境・社会・ガバナンスを包含するサステナビリティへの取り組みを強化する。
 そして次期中経では「『人を基本とする経営』の実践」を掲げ、自律・挑戦・共創をキーワードに、自律的な挑戦による個人・組織・事業のサステナブルな成長を目指していく。

 安全は東レグループにとって、全ての取り組みの根幹である。一人ひとりが必ずゼロ災を達成するという強い意識を持ち、管理者は指導と環境づくりに努め、ゼロ災の達成を目指していきたい。倫理・コンプライアンスも同様に企業活動の根幹である。お客様や社会に対して誠実に安全・安心な製品をお届けすることや、東レグループに関わる全ての人々がお互いにリスペクトを持ってコミュニケーションを深めることが、結果的に東レグループの価値を高めることにつながっていく。
 そして2026年度は次期中経の初年度として、生産・販売・技術・研究が一体となって各課題を具体的な数字に落とし込み、実行に向けた計画を立案して業績につなげてほしい。

 2026年は「東レグループ創立100周年」の大きな節目の年である。世界で100年以上続く企業は半数が日本に集中し製造業がその中心であるが、その根底には、自然を尊び、ものづくりに真摯に向き合う、日本古来のサステナビリティそのものの文化が息づいている。
 東レも、琵琶湖畔に創業した当初から、先人は人材育成に力を注ぎ、能力を活かし、人材を次世代につなぐことを継承してきた。東レが「真のサステナブルな会社」であり続けるためには、社員一人ひとりが「開拓者精神」を持ち、変化を恐れず挑戦を続けること、One Teamで達成感を共有し、その思いを次世代につないでいくことが何より大切である。
 社員が「わくわく感」を持って働き、果敢に挑戦する自由闊達な職場を築き、東レの次の100年を共に創っていきたい。

大矢光雄社長

大矢光雄社長

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー