ニッタは12月3日、製薬業界における無菌製造環境の高度化ニーズに応え、クリーンルーム用変性エタノールを用いた除菌剤「QTエタノール」の製品ラインアップを拡充し、シリーズ化したことを発表した。
近年、バイオ医薬品の開発・製造の増加による市場ニーズの拡大、製造工程の自動化・クリーンルーム化や、世界各国での医薬製造基準の厳格化等により、製薬業界では製品の安全性を守るため「無菌環境の維持」がますます重要になってきた。これに伴い、除菌技術や製品のニーズが高まり、関連市場も拡大している。
QTエタノールは、こうした高度な無菌環境(グレードA、Bエリア)での清掃および消毒作業をより安全・快適に実施することを可能とし、微生物汚染のリスクを低減および無菌製造工程の安定運用を支援する。
QTエタノール(クリーンルーム用変性エタノール除菌剤)の特長としては、多重包装・滅菌仕様で、外部から微生物持ち込みをシャットアウトする。70%変性アルコール(SDA)とUSP WFI30%の混合液である。メタノールフリー(イソプロパノール含有の変性エタノール使用)である。有効期限は3年間(QTエタノール含侵ワイパーは2年)である。分析証明書(COA):成分規格、γ線滅菌情報、LAL試験結果を含む。様々な製品バリエーションがある。クリーンルーム向けだからこそ、高清浄度環境で製造することが挙げられている。
主な用途として、床、壁、天井のクリーニング、機器のクリーニング、無菌エリアの手指消毒、グレードA、Bエリアの作業に使用できる。
今回、液剤と空気が接触しないボトル構造&逆止弁付きノズルが特徴のバッグインボトルタイプと、液剤および圧縮空気もフィルタ減菌済みで、逆さまでも噴射可能なエアゾールタイプに加え、ユーザーのニーズに応えてQTエタノールシリーズに新たに2つのタイプが加わった。
1つは含侵ワイパーで、繊維や粒子の放出が最小限となり、ISOクラス4~7のクリーンルームで使用可能となる。
もう1つはガロンタイプで、待望の約3・8Lの大容量となる。クリーンルームや医療・製薬施設での日常的な広範囲の消毒作業に適している。
販売開始日は11月28日となる。

