BASFが南京で試運転を実施 高性能分散剤の生産ライン立ち上げ

2025年12月05日

ゴムタイムス社

 BASFは12月3日、中国の南京江北新材料科技園における高性能分散剤の生産ラインの試運転を正式に実施したと発表した。今回の投資により、コントロールドフリーラジカルポリマリゼーション(CFRP)技術を用いた最先端分散剤の現地生産が実現する。今回の世界全体の生産能力の増強は、オランダのヘーレンフェーンにある同社拠点での生産と合わせて、供給の信頼性と柔軟性をさらに高める。
 同社SEの取締役会メンバーであり、最高技術責任者のステファン・コートラーデ氏は新ラインの試運転に立ち会い、「この新工場により、安定した現地での供給体制を確立し、工業用塗料および自動車分野において急速に拡大する市場需要を支えていく。この工場は当社の分散剤向け高度CFRP技術と最先端の生産プロセスにより、PCF(製品カーボンフットプリント)を低減した製品を通じてアジア地域のお客様のグリーントランスフォーメーションをサポートする」と述べた。
 同社ディスパージョン&レジン事業本部プレジデントのゴプス・ピレイ氏は、「当社の事業の特徴として、強固なパートナーシップが挙げられる。南京におけるCFRP生産の拡大と、オランダのヘーレンフェーン拠点からの供給を組み合わせることで、より迅速な対応が可能になり、ダイナミックな市場で成功を収めるためにお客様が必要とする柔軟性を提供できる」と述べた。
 同社ディスパージョン&レジン事業本部グローバルビジネスマネジメント添加剤担当バイスプレジデントのシルヴァン・ユゲナール氏は、「南京工場におけるCFRP技術の導入は、当社の競争優位性をさらに強化するもの。高度な分散剤ソリューションを提供することで、お客様が性能面でリードできるように支援していく」と述べた。
 2007年より、同社の南京工場は中国およびアジア太平洋地域における重要なスペシャリティ化学品生産拠点となっている。今回の拡張により、同社の市場競争力とイノベーションがさらに強化される。
 高性能分散剤は、塗料、インク、複合材料において不可欠であり、顔料の分散性、発色性能、および分散体の安定性を向上させる。CFRP技術は、広色域と優れた製品性能を求めるハイエンド市場の需要に応えるものとなる。
 同社の中国進出140周年ということもあり、今回の新工場の試運転は同社のイノベーションと持続可能な業界の発展へのコミットメントを強く示している。

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