帝人フロンティアは12月3日、肌側にポリエステル撥水糸を用いることで肌面のドライ感を保つ特殊織編素材「トリプルドライカラット」の表側に、特殊な芯鞘型の高濃度FDコンジュゲート原糸を配置することで、肌面のドライ機能に加え、遮熱性、UVカット性、防透性、汗ジミ低減効果などのさまざまな機能を有する次世代型複合快適機能素材「CARAT X」を開発したと発表した。
同社は、「カラットX」を2027年春夏の国内および海外のスポーツ・アウトドア向けの重点プロモート素材と位置付けて拡販を図っていく。
「カラットX」の特長は4点。1点目は、肌面ドライ機能となる。肌側層に撥水タイプと吸水タイプのポリエステル原糸を最適に配置した特殊構造体により、素早く汗を吸収して生地の表面層へ拡散させるとともに、吸い込んだ汗が肌面に戻ることを防ぐことで、肌にべとつかず着用快適性を保つ。
2点目は、UVカット性、遮熱性、防透性となる。生地の表面に酸化チタンを多く含む芯鞘型高濃度FDコンジュゲート原糸を配置しているため、光の透過を抑え紫外線や熱を遮るとともに、透け感を抑える。
3点目は、汗ジミ低減効果となる。発汗時においても、生地表面に芯鞘型高濃度FDコンジュゲート原糸を配置していることにより、生地表面の濡れている部分と乾いている部分で可視光に対する反射率の差を小さくできることから汗ジミ低減効果を発揮する。
4点目は、環境対応となる。PFAS(有機フッ素化合物)フリーの素材を使用している。
「カラットX」の技術概要は、以下の通り。原糸は芯鞘型コンジュゲート紡糸技術(芯、高濃度酸化チタン)、糸加工は高捲縮仮撚り技術、製織・製編は、高濃度FD原糸製織・製編技術、および特殊2層構造織編物設計技術、染色加工は快適機能性を付与する加工技術となる。
同社は、「カラットX」を2027年春夏の国内および海外のアウトドア・スポーツ向けとして販売を開始し、その後、ファッション衣料やインナー衣料などのライフスタイル向けへと幅広く展開することで、2027年度に15万m、2029年度に40万mの販売を目指す。
2025年12月05日
