旭化成は12月2日、同社の連結子会社であるPolypore International傘下で運営する鉛蓄電池用セパレータ「Daramic」事業を、Kingswood Capital Managementに譲渡することを決定したと発表した。
なお、2025年12月1日付でクロージングが完了している。同事業譲渡による2026年3月期の連結業績予想に修正はない。
同社専務執行役員兼マテリアル領域長山岸秀之氏は、「当社は事業ポートフォリオ変革を進めており、今後は成長分野にリソースをさらに集中させる。今回の事業譲渡は、利益成長を牽引する電子材料等のエレクトロニクス事業の強化や、カナダにおける製膜・塗工一貫工場の建設を通じた北米でのリチウムイオン電池用セパレータ事業の拡大など、将来を見据えた取り組みをさらに加速させていく上で重要な一歩」とコメントしている。
同社は2015年8月のPolypore買収により、鉛蓄電池用セパレータ「ダラミック」とリチウムイオン電池用乾式セパレータ「Celgard」を取得した。「ダラミック」は車載用途や産業用途を中心に使用され、安定的な収益貢献が期待できる事業として、コストダウンをはじめとするグローバルでの製造拠点の強化等を進めてきた。しかし、セパレータ事業の中長期的な戦略を踏まえ、ベストオーナーの観点も含めて慎重に検討を重ねた結果、このたびの譲渡が最良であるとの結論に至った。
なお、従来同社が手掛けていたリチウムイオン電池用湿式セパレータ「ハイポア」事業においては、北米および日韓をターゲット市場とし、同地域での車載市場における成長を実現するための投資を実行している。
2025年12月05日
