ENEOSマテリアルは11月28日、同社独自のナレッジグラフとAIエージェント技術を統合した新材料テーマ創出AIエージェントシステムを開発し、2025年10月より社内検証を開始したと発表した。同システムは、市場ニーズを踏まえ、「材料×用途×機能」の視点で新たな材料テーマを提案することが可能となる。社内PoCでは、同システムにより材料候補の一次選別を同社比約75%効率化する効果を確認した。
同社独自のナレッジグラフは、同社の研究報告書や技術文書を分析し、約3万のエンティティと約8万のリレーションシップから構築した。またAIエージェント技術には、複数エージェントが協奏するマルチエージェント方式を採用している。これらを融合した同システムは、経験や勘に依存していた新材料テーマ創出をデータドリブンに進化させる基盤となる。
一般的な生成AIでは辿りつかない材料の新たな組み合わせを自動提示できる同システムにより、新材料テーマ創出までのリードタイムの短縮に寄与し、研究開発プロセス全体の効率化を後押しする。また、社会ニーズに応える素材を安定的に供給するという同社グループの使命を、より確かなものにしていく。
今後は同社グループ中期経営計画に掲げる「AI活用の推進」のもと、同社グループ各社および外部パートナーとの連携を視野に、同システムの活用範囲を拡大し、同社グループの技術競争力向上に貢献していく。
2025年12月02日
