UBEとFRONTEOは11月13日、創薬シーズの創出および製薬企業へのライセンスアウト(導出)を目的とした共同研究に関する基本合意を締結したことを発表した。
本共同研究では、FRONTEOがAI創薬支援サービス「Drug Discovery AI Factory」を活用し、疾患と標的分子との未知の関連性を探索する。
UBEは創薬研究で長年培ってきた化合物に関する専門知識と技術力を生かし、DDAIFによって探索された標的分子候補に作用する化合物の探索および最適化を担当する。
本共同研究により、製薬企業は創薬成功確率と競争力の高い標的分子および作用化合物を取得することが可能となり、創薬研究開発におけるリスク低減、パイプラインの拡充、ならびに創薬プロセスの加速が期待される。
両社は2025年12月までに対象疾患を決定し、2026年1月より研究を開始する予定である。
近年、疾患の複雑化・多様化に伴い、創薬における新たな標的分子の探索はますます困難になっており、標的分子の「枯渇」は世界的な課題となっている。こうした状況を受け、日本政府は現在、「創薬力向上のための官民協議会」を立ち上げるなど、創薬エコシステム構築を通じた創薬力強化を推進している。
しかしながら、創薬力強化に向けた取り組みが進む一方で、現行の創薬エコシステムには実現性や最適性の面で課題が残されており、研究成果と経済効果の間には依然として大きなギャップが存在する。
本共同研究は、こうした課題の解決を目指すものであり、政府が掲げる創薬力強化の方針にも合致する取り組みである。
FRONTEOとUBEは、それぞれ「標的分子探索」と「化合物探索・最適化」という独自の強みを生かし、研究開発の初期段階から密接に連携する。FRONTEOによる標的分子候補の発見から、UBEによるヒット化合物の探索・検証へと迅速に展開させることで、創薬シーズ導出までのプロセスを効率化し、実効性の高い創薬モデルを構築することができ、日本の創薬力強化に貢献する。
