東洋紡らが水平リサイクルで協同開発 自動販売機用商品見本シート

2025年11月11日

ゴムタイムス社

 東洋紡は11月7日、東洋インキ、協同制作と共同で、自動販売機の商品見本シートにおける「水平リサイクル」スキームを確立したことを発表した。

 プラスチックに施された印刷は、必要な情報を表示したり、意匠性を高めるなど重要な役割を担うが、基材から印刷インキを分離することが難しくリサイクルの促進を阻害する要因の一つとなっている。東洋インキは2023年、プラスチックに印刷されたUVインキを除去する脱墨技術を開発し、飲料ブランドオーナーと広いネットワークを持つ協同制作とともに商品見本シートのリサイクルに向けた取り組みを進めてきた。この取り組みをさらに進め、水平リサイクルを実現させるためには、回収した商品見本シートからインキを脱墨した後に再びフィルム化する工程が必要であった。
 このたび、東洋インキの脱墨技術を用いてインキを除去した商品見本シートを同社が独自の製膜技術を用いて再フィルム化し、協同制作がそのフィルムを利用して商品見本シートとして再生するという、一連のリサイクルスキームを確立した。すでに実証試験にも着手しており、自動販売機用商品見本シートの「水平リサイクル」の社会実装に向けた取り組みを推進している。
 2050年にカーボンニュートラルの実現を目指す同社は、化石由来原料の使用量削減に向け、使用済み工程フィルムを含むリサイクル原料を100%使用したPETフィルム「レナシャイン」や、ラベルの台紙フィルムを回収して再フィルム化した「カミシャインNEO」など、プラスチックフィルムの水平リサイクルに取り組んできた。同社は、本取り組みを通して使用済みプラスチックの再資源化を促進し、循環型社会の実現に貢献していく。

リサイクル材 25%配合の商品見本シート(イメージ)

リサイクル材25%配合の商品見本シート(イメージ)

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