住友理工は11月5日、11月12~13日にポートメッセなごや(名古屋市港区)で開催される「第30回からくり改善くふう展2025」に出展することを発表した。
本展示会は、モノづくり企業がお互いに学び合う場として、日本プラントメンテナンス協会が1994年より開催している。発想の転換によるシンプルな「からくり改善」事例から、複数のからくり機構を組み合わせた精巧な改善事例まで各社展示しており、同社は第20回から出展している。同社グループは、経営ビジョン「2029年 住友理工グループVision」に掲げる「高い志を持ち、未来を切り拓く自律型人材の育成」を実現するため、社内選考を経て選抜した作品を出品する。これらはすべて、現場の課題解決に向けた従業員の創意工夫から生まれたものとなる。
「親子亀シューター」は同社小牧製作所(愛知県小牧市)から出品される。従来のスペースを維持したまま積載量を2倍に増やし、運搬効率を向上する装置である。製品が積載された箱を払い出すと自動で2段積みにして排出する。これにより、生産・運搬サイクルの時間を最適化し、生産性向上に貢献する。
「長重労2号」は同社小牧製作所(愛知県小牧市)から出品される。ホースなどの重量がある長尺品の持ち運び時に、身体への負担を軽減する台車である。重りを活用し、作業しやすい高さまで持ち上げをサポートする。前傾姿勢で物を持ち上げることなく次工程に進めることができるため、腰痛リスクを低減する。
「GIRAーX」は同社埼玉事業所(埼玉県上尾市)から出品される。高所への段替え部品の運搬を目的とした装置である。複数回の運搬が必要な部品を一括で搬送できるよう、昇降機能を持つからくり機構を設計した。運搬時間の削減にもつながり、より安全性の高い運搬が可能となる。
「もう漏れないから大丈夫!!」は住理工FCシール(愛知県小牧市)から出品される。スポットクーラーから出るドレン水の漏れを防ぐ装置である。排水タンクの容量アップや満量前にブザーが鳴ることでタンクのドレン水が床面に漏出することを防ぐ。これにより、床面が濡れることによる転倒リスクの低減に貢献する。
「からくり段バラシ2」は住理工九州(大分県豊後高田市)から出品される。運搬台車から材料を積載した箱を設備内へ投入する装置である。バネや滑車などを用いたからくり機構により、積み下ろし作業の負担を軽減する。従来の機構から操作を簡素化し、積み下ろしを人の手で行わなくなったことで、安全性も高まった。
「イチ推しらっ君」は東海化成九州(大分県豊後高田市)から出品される。製品箱の持ち運びを削減した装置である。重量のある箱の持ち上げやパレットへの設置作業にからくり機構を用い、人手を必要とする作業を楽にした。作業者の重量物の運搬作業を軽減し、安全性にも寄与している。
「塗布治具の運搬改善」は住理工汽車部件(中国・広州)から出品される。製品の運搬を目的に設計した設備である。塗布後の製品をシューターで移動させる機構を用い、作業者の移動距離、運搬時間が短縮可能となる。短縮した時間で別作業に着手することで、作業効率の向上にも貢献する。







