ブリヂストン 使用済みタイヤを再利用へ  関工場に実証プラント起工

2025年10月23日

ゴムタイムス社

 ブリヂストンは10月21日、同社関工場敷地内で使用済みタイヤを精密熱分解するパイロット実証プラントの起工式を開催した。
 使用済タイヤを精密熱分解することで分解油や再生カーボンブラックを回収し、タイヤ原材料として再利用するケミカルリサイクル技術確立に向け技術実証を推進し、プラント操業のノウハウ構築や人材の育成も進める。
稼働開始は2027年9月を予定しており、年間最大7500トン(乗用車タイヤに変換すると約100万本)の使用済みタイヤを処理する。
 同社では、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、2022年から使用済タイヤのケミカルリサイクルの取り組みを進めている。2023年にはBridgestone Innovation Park(BIP、東京都小平市)に実証機を導入し、使用済タイヤの精密熱分解試験による分解油や再生カーボンブラックを回収する技術開発を進めてきた。これらの基盤技術をもとに、今後はパイロット実証プラントで回収した分解油をリサイクルオイル化し、合成ゴムの素原料であるブタジエンなどの化学品を製造することで、再生カーボンブラックとともにタイヤ原材料として再利用される資源の循環を目指していく。
 起工式には関市の山下清司市長、ブリヂストンからは代表執行役副社長BRIDGESTONE EASTCEOの田村亘之氏、執行役専務Global CIOの草野智弘氏など関係者32名が参列した。
 田村副社長は「今回のパイロット実証プラントはブリヂストンにとって世界初の挑戦であり、持続可能な社会の実現に向けて非常に重要なプロジェクトだ。使用済みタイヤを資源として再びタイヤ原材料に戻す水平リサイクルの実現に向けてブリヂストン独自のリサイクル技術と量産化技術を確立し、再び高品質なタイヤを生み出す循環を創出することを目指す。タイヤ業界のリーダーとして持続可能な社会の実現と安定的な原材料調達・タイヤ供給の社会的責務を果たすためにこの実証活動を通じてタイヤリサイクルの早期実現に挑戦する」と話した。
 また、関市市長の山下氏は「この度、パイロット実証プラントの建設に際

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