積水化成品、軟質ポリマー微粒子を開発 低誘電材料向けの絶縁材料

2025年10月23日

ゴムタイムス社

 積水化成品工業は10月21日、電子材料分野における新たなニーズに対応するため、高速通信・高周波信号処理に適した低誘電材料向け軟質ポリマー微粒子を開発したことを発表した。

 次世代の高速通信や高周波信号処理に対応する電子材料分野では、「絶縁性」「低誘電性」や「高耐熱性」などの特性が求められている。しかしこれまでの無機系低誘電材料は、割れやすく脆性が高いため、加工や実装の際に壊れやすいという大きな課題があった。特に、フレキシブルデバイスや多層基板のように曲げたり重ねたりする工程では、材料の「もろさ」が致命的だった。そこで「柔軟性と低誘電性を兼ね備えた新しい絶縁材料」が注目されている。

 「テクポリマー」は、独自の重合技術によって設計された高機能ポリマー微粒子で、液晶ディスプレイの光拡散材や化粧品の添加剤、塗料の艶消し材など、幅広い分野で活用されている。今回開発したものは、低誘電特性と高い柔軟性を同時に付与できる革新的なポリマー微粒子である。高速通信・高周波信号処理に求められる性能を満たしつつ、多層基板の微細加工や反り・破損対策にも貢献し、未来の通信インフラやウェアラブル機器の進化を支える。

 販売計画は2030年度12億円、想定分野は電子材料分野となる。

 本製品は、2025年10月22~24日に台湾で開催されるTPCA展示会に出展予定である。今後は、粒径制御や表面改質技術との組み合わせにより、さらなる高性能化を図るとともに、フレキシブル基板・パッケージ基板・車載用電子材料など、幅広い用途への応用を進め、電子材料の高機能化と信頼性向上に貢献していく。

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