イグス(東京都墨田区)は、2026年春の竣工(予定)を目指し、ケーブル保護管、ケーブル、レディーチェーン、樹脂ベアリングなどを製造する新工場を栃木県さくら市に建設する。新工場の延床面積は約1万㎡。投資額は土地・建物合わせて約35億円。
同社はこれまで、国内の在庫・アセンブリー拠点として栃木県内の計4カ所で稼働してきたが、事業が拡大するなか、既存工場のスペースでは効率的な生産ラインを組むことに限界が生じ、自動化・省力化設備の導入にも制約が発生してきていた。また、将来的なビジネス拡大に対応できる生産体制の構築、倉庫機能の拡充も大きな課題となっていた。
同社はさらなる在庫保管能力の拡大、効率的な生産体制の構築および出荷体制の強化を図ることを目的に、このたび、現工場がある栃木県那須烏山市に隣接する同県さくら市に事業用地を取得した。4拠点の在庫・アセンブリー機能を全て新工場に移転・集約し、2026年春より稼働を開始する計画である。
新拠点の特徴・設備については、点在する既存4拠点を十分なスペースがある新工場に集約し、工場・倉庫拠点間の輸送をなくし物流効率を向上させるとともに、事業拡大に対応する工場の体制を整える。新工場の設立により、在庫保管能力は2024年比で約70%増加する見込みとなっている。
新拠点では、自動化・省力化機器の導入や生産ラインの見直し、新たな倉庫システムの導入を行うことで、労働生産性を向上させる。さらに、新工場建屋の隣地には将来的な工場拡張に向けた約5000㎡の用地を確保している。
イグス(本社ドイツ)は、様々な産業機械や製品の可動部分に使われるエンジニアリングプラスチック製品の開発・製造・販売を行うグローバル企業。1946の創業以来、無潤滑高機能プラスチックを使用したケーブル保護管、可動ケーブル、樹脂ベアリングにおいて世界のマーケットをリードしてきた。世界80以上の国と地域の企業が製品・サービスを採用し、22年の売上高は9億6100万億ユーロ(約1500億円)に達する。