クロロプレンゴムの需要低調 デンカの4~12月期

2025年02月12日

ゴムタイムス社

 デンカの25年3月期第3四半期連結決算は、売上高が3015億9800万円で前年同期比3・0%増、営業利益は118億1600万円で同5・9%減、経常利益は43億3000万円で同48・8%減、四半期純利益は25億7700万円で同28・0%減となった。

 セグメント別では、エラストマー・インフラソリューション部門の売上高は844億5600万円で同1・6%減、営業損失は56億7000万円(前年同期は55億5000万円の損失)となった。クロロプレンゴムの需要は低調に推移しており、販売数量は前年並みとなった。このほか、農業・土木用途向けのコルゲート管やセメントの販売も前年並みとなったが、特殊混和材の販売数量は、工事遅れなどの影響により前年を下回った。

 電子・先端プロダクツ製品は675億2600万円で同6・6%増、営業利益は69億2300万円で同3・8%増となった。球状アルミナや球状シリカは、生成AI向けの需要が拡大し全体で増収となったが、その他の半導体需要は回復が鈍化した。高機能フィルムも電子部品向けの需要が緩やかに回復し増収となった。また、高純度カーボンブラックの販売数量は、xEV向けは前年を下回ったが、高圧ケーブル向けは前年を上回り、全体で増収となった。このほか、LED向けサイアロン蛍光体「アロンブライト」も販売数量が前年を上回った。一方、電子回路基板は販売数量が前年を大幅に下回り減収となった。

 ライフイノベーション部門の売上高は350億9400万円で同7・7%減、営業利益は76億1000万円で同21・7%減となった。インフルエンザワクチンの出荷は前年並みとなった。一方、POCT検査試薬は、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスの同時診断キットの販売数量が前年を下回り減収となった。このほか、その他の検査試薬の販売は前年並みとなった。

 25年3月期通期業績予想は、直近に公表されている業績予想からの修正はなく、売上高は4200億円で同期比7・9%増、営業利益は180億円で同34・6%増、経常利益は120億円で同119・2%増、当期純利益は90億円で同24・7%減を見込んでいる。

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