レゾナックが譲渡を合意 大陽日酸に排ガス処理装置事業

2025年02月07日

ゴムタイムス社

 レゾナックは2月5日、大陽日酸との間で、同社グループが日本及び台湾において営む排ガス処理装置事業の譲渡について合意し、2024年12月24日付で、同社の同事業を同社の完全子会社であるクリーンエス昭和に吸収分割により承継させた上で、対象会社の発行済株式のすべてを大陽日酸へ譲渡する契約及び同社の子会社である台灣力森諾科特殊氣體股份の同事業を大陽日酸の子会社である大陽日酸系統科技股分へ譲渡する契約を締結したと発表した。
 同社は、旧昭和電工時代の1985年に業界で初めて排ガス処理装置の開発、販売を開始し、半導体製造のドライエッチング工程において発生する有害酸性ガスや地球温暖化の原因となるPFCガス(パーフルオロカーボンガス)を安全でクリーンなガスとして排出できる装置をはじめ、ユーザーのニーズに応じた排ガス処理装置を供給してきた。
 同社グループは、「統合新会社の長期ビジョン(2021~2030)」で示した通り、世界トップクラスの機能性化学メーカーとして、持続可能な社会への貢献を目指している。その実現に向けて、継続的にポートフォリオの見直しを図ることで、持続的な成長を追求している。
 このビジョンに基づき、最適な経営資源の配分及び事業ポートフォリオマネジメントを検討する中で、同事業の在り方について、あらゆる選択肢を慎重に検討した。
 かつて、同社の排ガス処理装置は市場のトレンドをリードしていたが、顧客要求の変化や新たな競合の参入といった外部環境の変化の中で、大手産業ガスメーカーであり同事業も手掛ける大陽日酸のもとで事業拡大を図ることが、同社の取引先及び各ステークホルダーにとって最適であると判断し、上記契約に基づく取引を推進することを決定いたした。
 排ガス処理装置の製造販売に実績のある大陽日酸が既存事業と一体で、積極的かつ戦略的に当該事業を推進することで、同事業のさらなる成長と競争力の強化を実現されるものと確信している。
 同取引は、契約に定める前提条件が満たされることを条件とし、2025年6月の完了を予定している。
 なお、同取引による同社業績への影響は軽微と見込んでいる。

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