ゴム・樹脂ホース特集 八興 ウルトラソフトで新製品投入 24年度のテーマは新規顧客開拓

2024年04月01日

ゴムタイムス社

 八興(東京都板橋区、阿部忠弘社長)の23年度(23年4~24年1月)売上は前年同期比95%となった。「今年度上半期は微減で推移していた。下半期に入り注文を期待していた半導体製造装置向けが大きくずれ込んだ影響を受けた」(同社)と語る。
 業界別では、大きく落ち込んだ半導体製造装置以外では、海外市場は比較的堅調に推移した。医療機器や塗料関係向けの動きが良かったという。
 製品展開では、「耐熱ソフトチューブ100℃(E-HRT)」、「スーパー柔軟フッ素チューブ(帯電防止)E-SJAST」、「スーパー柔軟フッ素スプリング(ウルトラソフト)E-SJSPUS」、「バリアチューブ」、「スーパー柔軟フッ素ホース(ウルトラソフト)EーSJBUS」と今年度に相次ぎ発売した。
 新製品では、昨年9月に発売したスーパー柔軟フッ素チューブ(帯電防止)E-SJAST」の滑り出しが好調だ。同製品はチューブの外層(ウレタン)に帯電防止剤に添加し、周辺機器の静電気ノイズ対策で使用できる。さらに透明性のある素材を採用し、内部流体の目視が可能。「帯電防止は静電気対策が必要な用途でご採用いただいているが、特に印刷インキを使う現場で評価を高めている」(同社)と話す。
 今年2月発売の「スーパー柔軟フッ素ホース(ウルトラソフト)E-SJBUS」の販売拡大にも期待を寄せる。同製品は「もっと柔らかいフッ素ホースが欲しい」「フッ素ホースは反発が強くて扱いにくい」などの顧客ニーズに応える形で開発した。23年秋に発売し好評を博している「スーパー柔軟フッ素スプリング(ウルトラソフト)E-SJSPUS」の積層型補強糸入りを追加した。
 同製品の特長は、発売スタートから20年余多くの顧客に支持され、市場に浸透している「スーパー柔軟フッ素ホース(E-SJB)」の耐圧性と耐薬品性は維持しつつ、柔軟性は、曲げ反発弾性(曲げた時に元の形状に戻ろうとする力)の比較で最大40%低減した。
 24年度の事業方針では、新規顧客の開拓を大きなテーマに据える。「コロナ禍で十分な営業活動ができなかった結果が、23年度の業績低迷の一因になっているのではないか」(同社)との見解を示す。新規顧客の開拓では、ホームページのさらなる充実、ウェビナーなどデジタルツールを使った営業力の強化に加え、機械要素技術展(今年6月東京、10月大阪)に出展する。「顧客との接点を増やし、23年度に発売した新製品の訴求や拡販に力を入れていく」(同社)。

新製品「E-SJBUS」

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