アキレスが3月より発売 土壌消毒用生分解性フィルム

2024年02月27日

ゴムタイムス社

 アキレスは2月26日、特定の作物向けに開発した土壌消毒用生分解性マルチフィルム「ビオフレックスマルチGM」(こんにゃく芋向け)を2024年3月1日より発売すると発表した。
 農業分野においても環境負荷の低減が推進される中、群馬県では特産物であるこんにゃく芋の栽培で使用する土壌消毒用フィルムについて、ポリエチレンフィルムから生分解性フィルムへの切り替えを検討していた。
 こんにゃく芋は病気に弱く、植え付け前の土壌消毒が不可欠であることから、県内全体で相当量の消毒用ポリエチレンフィルムが必要になり、使用後に発生する廃プラスチックが膨大な量にのぼることが理由だった。 
 産地の要請を受けた同社が生分解性マルチフィルム「ビオフレックスマルチ」を提供し、試用いただいたところ、生分解に要する期間に課題があることが分かった。従来の「ビオフレックスマルチ」は使用期間を3〜4ヵ月に設定しているが、こんにゃく芋の栽培で土壌消毒用フィルムを使うのは3月からの1〜2ヵ月間と、それより短い期間だった。 
 そこで同社は「ビオフレックスマルチ」の生分解性を調整し、こんにゃく芋の栽培カレンダーに適した生分解性を持つ土壌消毒用生分解性マルチフィルム「ビオフレックスマルチGM」(こんにゃく芋向け)を新たに開発した。
 土壌消毒終了後の施肥作業と同時に鋤き込むだけでフィルムを処理でき、省力化に大きく貢献する。また、廃プラスチック処理が不要のため、CO2排出量の削減につながる。さらに、ポリエチレンフィルムと同等のガスバリア性を備え、消毒後の土壌に被せることで消毒液の大気中への拡散を抑制する。
 土壌消毒用生分解性マルチフィルム「ビオフレックスマルチGM」(こんにゃく芋向け)は、こんにゃく芋栽培の土壌消毒に適した生分解性マルチフィルムとして業界初となるもの。日本バイオプラスチック協会が認証する「生分解性バイオマスプラ」マークを申請中となる。
 同社は、生分解性フィルムの開発で培った配合技術により作物に合わせて生分解の期間を調整することが可能なことから、今後も利用者や社会のニーズに応え、環境配慮型製品の開発、機能向上の取り組みを積極的に進めていく。

「ビオフレックスマルチGM」(こんにゃく芋向け)(群馬県内での展張例)

「ビオフレックスマルチGM」(こんにゃく芋向け)(群馬県内での展張例)

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