年頭所感 東日本プラスチック製品工業協会 大野泰昭会長

2022年01月06日

ゴムタイムス社

 新年あけましておめでとうございます。皆様には謹んで新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。旧年中は会員の皆様はじめ関係官庁業界団体さらに多くの皆様には、格別なるご支援を賜り誠にありがとうございました。本年も宜しくお願い申し上げます。

 関東経済産業局様には、産業部担当次長久世尚史様はじめ職員の皆様に常日頃から、あたたかいご支援をいただき心よりお礼申し上げます。
当工業協会の重点事業である能力開発・技術向上の推進におきましては、コロナ禍で感染を防ぎながら対策をとり、使用機械を半分、受験生も半分にして開催しましたため、令和3年度とコロナ前の令和元年度を比べると、技能検定の受験申請も技能士合格者も減少しました(令和2年度は射出検定自体が中止となっています)。東日本プラスチック製品協同組合(嶋田理事長)におきましては、会員の皆様への様々な物品斡旋事業を実施してまいりました。

 上場企業の決算発表が11月に約700社に達しピークを迎えました。3月期決算の企業で業績回復が勢いづいており、2022年3月期通期に前期比で最終増益を見込む企業の比率は約7割と8年ぶりの高水準になるそうです。原料高の価格転嫁が進み、鉄鋼や化学などの採算が改善し、需給逼迫で海運も好調だそうです。新型コロナウイルス前の水準への利益回復が進み、5割以上の企業が19年3月期を上回るとの事。業績の持ち直しが鮮明なのが製造業だそうです。製造業17業種中のうち、「医薬品」を除く16業種が増益または黒字転換を見込んでいます。出遅れていた非製造業も回復のピッチが上がってきたそうです。

 お話が変わりますが、「日本企業よ、ダイナミックであれ」という題名で新聞に出ていました。『日本の株価は欧米の後追いであれかつ冴えない。欧米が史上最高値を更新しているのに、日経平均株価はようやく新型コロナウイルス後の高値を目指している。東アジアの中でさえ時価総額の上位から日本企業の名が消えつつあるといわれている。さらに気になるのが、為替レートである。円の実力は今より円高だと言われているのに実際の円は高くならない。世界の中で日本の輝きがうせているのだろう。何が問題なのかここでは3点を指摘したい。

 第一に、日本企業の行儀が良すぎ、逆に大胆さが消えた。行動力がないとも言える。例えば誰かが新規事業を発案すると、あらゆる角度からリスクが指摘されるため、それへの対応の検討だけで時間が延々流れる。これでは海外企業に先行されてしまう。本来事業活動はリスクである。リスクを覚悟して事業を行うから利益が出る。後は計画に狂いが生じた場合の逃げ道を想定しておけばいい。

 第二に、過去へのこだわりが強すぎる。既存事業にもリスクがある。新規事業の全リスクを指摘するだけの暇があるなら、既存事業の主要リスクの点検が先決である。もし利益との対比でリスクが過大なら早急にその事業から撤退すべきである。

 第三に、国内事業の比率が依然高い。国内を下げ海外にもっと注力すべきである。海外展開に多くの制約があるのも確かながら、それを打開するために若い力を活用すべきであり、信頼できる海外でのパートナーを常日ごろから探しておくべきである。

 お気づきだろうが、三つは同根である。事業活動それ自身がリスクなのだから、現時点の事業が直面している大きなリスクとその変化に目配りしつつ、同時に新たなチャンスを具現化することで、リスクと利益の最適化を実現する。このダイナミズムを取り戻すことが今の、日本企業に強く求められる。』と記者は結んでいます。私も既存事業は安心で新規事業はリスクがあると思いがちです。既存事業に安住せず、早く新規事業を軌道に乗せることと、海外に販売をしていくことの大切さを改めて学びました。我々プラスチック業界も製造業の一員として、誇りをもってみんなで力を合わせて頑張っていこうではありませんか。令和四年が業界にとりまして良い年になることを信じて事業経営に邁進していきたいと思います。これで新年の挨拶に代えさせていただきます。
 

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