カネカが開発 魚箱に採用 グリーンプラネット発泡成形品

2021年05月27日

ゴムタイムス社

 カネカは5月25日、「グリーンプラネット発泡成形品」を開発し、水産事業者に鮮魚用魚箱として採用されたと発表した。同社は、「カネカ生分解性ポリマー『グリーンプラネット』」を発泡させ、成形体に加工する技術開発に取り組んでいる。

 地球規模でのプラスチック汚染が問題となり、海洋マイクロプラスチック問題への対策が急がれる中、同社製品が水産事業者に魚箱として採用されたことは、直接的に海洋汚染対策へのソリューションとしての扉を開くものであり、水産漁業関係者からの高い関心を集めている。

 カネカ生分解性ポリマー「グリーンプラネット」は、同社が発酵技術と高分子技術を融合させ開発した100%植物由来の生分解性ポリマーで、幅広い環境下で優れた生分解性を有し、殊に海水中で生分解するユニークな特徴を持っており、既に認証機関から「OK Biodegradable MARINE」認証を取得している。

 同社は、同社が長年培ってきた発泡樹脂の技術を活かし、グリーンプラネットの新しい用途である「グリーンプラネット発泡成形品」の開発を具体的に進めている。同社が得意とする技術の組み合わせ(複合化)の成果であり、今後水産漁業・農業分野での生鮮食品輸送容器、養殖用フロートなどの漁業資材、また発泡ビーズを詰め物としたクッション、家電・家具の緩衝包装材といった製品開発を加速させ、環境対応製品として販売を強化する。

 同社は、TCFD提言への賛同を表明しており、取り組むべき項目の一つとして「循環型社会への貢献」を掲げている。グリーンプラネットはストローや化粧品容器など、さまざまな分野で採用が進んでいる。同社は、環境負荷低減に貢献する素材としてのグリーンプラネットの用途展開を加速し、環境問題へのソリューションを提供していくとしている。

 

グリーンプラネット(発泡ビーズ)

グリーンプラネット(発泡ビーズ)

魚箱(グリーンプラネット発泡成形品)

魚箱(グリーンプラネット発泡成形品)

 

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