【コラム連載シリーズ】世界のゴム事情58 国際輸送への課題(後編) 加藤進一

2021年04月15日

ゴムタイムス社

世界のゴム事情

 (後編)
 前回はゴム企業が現在抱える国際輸送について、航空輸送を取り上げました。今回は海上輸送について解説いたします。
 昨年10月に中国経済が急回復したのち、米国も経済が持ち直しつつある環境になってきましたが、海上輸送の問題が発生しました。それはコロナ禍で船会社が便数を減らしている中、運ぶ貨物量が急増したためです。コンテナ船のスペースに対し、貨物が多すぎたのです。さらに港湾の作業者が出社できず、コンテナの積み下ろしする作業者も足りないため、船がスケジュール通りに運航できなくなりました。特に、シンガポールの積み替えは2週間以上かかるようになりました。さらに空のコンテナ箱も足りなくなりました。

 コンテナについては、昨年春にコロナ禍で海上運送の荷物が急減したときに、古くなったコンテナを今がチャンスだとして一斉に廃棄処分しました。このことがコンテナ不足の原因となり、企業にとっては大きな問題に発展していきます。

 10月に入ると、荷物が増えたため、慌ててコンテナ箱を中国メーカーに発注しましたが、完成に3カ月以上かかります。そのうちに、コンテナが中国と米国に滞留して、その他の国に回ってこなくなりました。船会社は儲かる航路(中国―北米、中国―欧州)にコンテナを優先的に回すので運賃が相対的に安いアジアはコンテナ不足に陥りました。今年の2月初めにはロサンゼルス沖には41隻のコンテナ船が2週間着岸を待っていました。まさに異常な事態です。


 

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