フィルム製高機能漁網を開発 帝人、木下製網と

2020年08月07日

ゴムタイムス社

 帝人は8月4日、同社と木下製網が、同社の高機能ポリエチレンテープ(UHMWPE)「Endumax」を使用した、世界初のフィルム製高機能漁網「MX―4」を共同開発したと発表した。木下製網は、8月上旬より「MX-4」の本格展開を開始する。

 「MX-4」は、同社の超高分子量ポリエチレンフィルム「Endumax」と、世界有数の無結節網の編網機を保有する木下製網の製造技術を組み合わせることにより開発した、世界初のフィルム製高機能漁網。「Endumax」は、高強度、高弾性率、耐衝撃性、耐摩耗性、耐薬品性、耐紫外線性などを兼ね備えた厚み60μmのフィルム。従来漁網に使用されてきた繊維に比べ、フィルムの製網・量産には高度な技術を要すが、数ミリ幅に裁断した「Endumax」を、木下製網独自の技術で編み込むことにより、高機能漁網「MX-4」の開発が実現した。

 「MX-4」は、「Endumax」を使用することにより「寸法安定性・耐摩擦性」「網揚げ時の水切り性」の特性に優れている。これにより、過酷な環境での耐久性や優れた水切り性が求められる、かつお、まぐろ、あじ、さばなどの旋網漁業などでの使用に適しており、試験採用の結果、高い評価を得ている。

 漁網には、漁法、魚種、海洋環境などによりさまざまな種類があるが、特に網に大きな負荷がかかる旋網漁では、繰り返し使用するにつれて網目が大きく収縮し、網の形が崩れ、魚を囲い込む性能が低下するため、頻繁に網の修繕や交換を行う必要がある。そこで同社と木下製網は、こうした漁業者の課題を解決すべく、長期的に寸法が安定し、強度、耐摩耗性に優れるなど、高い耐久性を実現することにより、メンテナンスの頻度を下げることができる今回の漁網を開発した。

 同社は、これまで防弾用途、航空貨物用軽量コンテナ、ロープなどの産業分野に「Endumax」を展開しているが、今回の漁網用途への展開を契機として、さらなる用途拡大を図っていく。同社グループは、時代の変化を踏まえた新しい価値を創造し、豊かで持続可能な社会を実現するソリューションを提供することで「未来の社会を支える会社」を目指す。

 MX―4の使用イメージ

MX―4の使用イメージ

(左)約300回投網後、(右)未使用

(左)約300回投網後、(右)未使用